桜が言った。
「文化祭の時はさ、杏ちゃんが一番上手いから杏ちゃんのバンドがトリやね」
するとアサミが「私はテンポチェンジをアラやと思われたないからテクノの前がええわ」と言う。
「じゃあ、前座でヒューマンビートボックスで盛り上げたら、いいんじゃないですか?」と翔。
「よし、決まりやな。最後はトリの後で、10人全員で合奏しょうか?曲は秋のはじめに決めるって事でええか?」と大西先生。
「あとは6、7月の予定と夏休みですか」とアサミ。
「うん。まず6月と7月、1学期中にやりたい事やな」と先生。
するとアサミー・メイデンのエレキ・ベース担当の亜衣が言った。「私はスムーズなテンポチェンジが出来るように頑張りたいです」と話す。
アサミがそれを聞いて言う。「確かに、ベースがテンポチェンジの要(かなめ)やからね」
桜は言う。「やっぱテクノ・アッシャーもリズム練習に重点を置きたいです。ね。かまんやろ、泉ちゃん」
「うん。もっと上手くなって杏ちゃんのバンドに匹敵するバンドにしたい」と泉。
それを聞いて、あわてる桜。「それは、無理やで泉ちゃ~ん」
みんなで笑い出す。
杏が言った。「うん。みんなそれぞれが、ええライバルになりそうやね」
「1学期中は僕のウクレレを桜先輩に教えてもらいたいし、陸のヒューマンビートボックスは野球部やりながら、あいまあいまで練習する方向で」と翔。
桜が言う。「えー。もう野球部やめなーよ。泉ちゃんも図書部やめるんやで」
「やめません」と泉。
「夏休みは、どうするん?」とアサミ。
「ストリート・ライブやる?」と桜。
「アサミのCUBE STREETも桜のMICRO CUBEもアンプは電池駆動出来るし。この2人のアンプ使えばええよね」と亜衣。
「ドラムは生でええとして。エレキ・ギターとベースはラインでええし。ヒューマンビートボックスは、まあ、マイク使うとして、サックスは生かマイクスタンドでやるか…」とアサミ。
「ソプラノウクレレはそのままじゃ音が小さいですよね。でもマイクで拾えるんならいいですけど」と翔。
「私のボーカル用のマイクスタンド使うか、コンタクトマイクか、ピックアップを付けてエレキ化するしかないよね。名付けてウクレレ改造計画」とアサミ。
「それって改造かなァ?」と泉が言った。
また、みんなで笑った。