『テクノ×ギター女子』12 | まことアート・夢日記

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まことアート・夢日記、こと徳村慎/とくまこのブログ日記。
夢日記、メタ認知、俳句モドキ、詩、小説、音楽日記、ドローイング、デジタルペイント、コラージュ、写真など。2012.1.6.にブログをはじめる。統合失調症はもう20年ぐらい通院している。

美術室。桜が入ってくる。「ただいまー」


山本が言う。「ただいまじゃねーし」


美智は「お帰りー」と言ってニヤニヤしている。続けて美智が言った。「桜ー。2年の男子と付き合うん?」どうやら、告白された事を泉から聞いたらしい。


「付き合わんよ、あんな男子」


「確かに。3年生ともなりゃ、受験勉強あるからねー。スポーツ系は夏まで、文化系も文化祭までやしね。忙しいもんね」


泉が冷やかす。「でも、結構、可愛いんやで」


美智もノリノリになって身を乗り出す。「桜ちゃん、どんな子?」


「何(なん)かね。バスケ部をアキレス傷めたとかでやめたんやって。それで軽音楽同好会に入りたいって言っとった」


「それって、もちろん桜ちゃん居(お)るからやよねー」と美智。


泉が言う。「もちろんやろ。桜ちゃん可愛いもん。年下から告白なんてドラマチック」


桜は「まあ、私を好きやっていう情熱だけは認めるけどねー」などと言う。


美智が、また悪ノリする。「山本君、ライバル出現やん。恋のライバル」


「えっ?山本君、桜ちゃんの事、好きなん?」と泉。

「うるさいわ。勝手にお前らが言いやるだけやろ」と山本。


桜が話す。「それよりさー。あの翔って子、軽音入るんやったら、アサミか奈々に言やええんやよ」


「奈々さんってアサミー・メイデンのドラムの子やよね」と泉。


桜が、うなずく。「実は、翔って子と奈々は、知り合いらしいんやよ」


「へぇー。じゃあ、奈々さんが恋のキューピッドか。キューピッドはエロースとも言うんやで」図書部の泉が知識を出す。


「エロス。危険やわ。大人の恋愛?」と美智。


「ハハハ。桜ちゃんには無理やで、みっちゃん」


「女王様には、なれるかもよ?」


「それって、どんなんよー?」


「泉も興味あるんやー?わー。スケベー」


桜が浮かない顔で言う。「泉ちゃん。今日は私、帰るわ。何(なん)か疲れて」


「うん。分かったー。翔君の事、考えたりなーよ」