『テクノ×ギター女子』10 | まことアート・夢日記

まことアート・夢日記

まことアート・夢日記、こと徳村慎/とくまこのブログ日記。
夢日記、メタ認知、俳句モドキ、詩、小説、音楽日記、ドローイング、デジタルペイント、コラージュ、写真など。2012.1.6.にブログをはじめる。統合失調症はもう20年ぐらい通院している。

桜と泉の2人は、杏たちが練習している教室に入っていく。


「すみませーん。ちょっと見学させて下さーい」と泉が声を掛ける。


「ああ。かまんで」と保健体育の大西先生が言いながら、シンバルをレガートする。(レガートとはジャズの刻みの事)


かなり複雑なスケールで難解なジャズをやっている。ギターソロが終わって合流するサックスの新(しん)。ベースレスのジャズトリオは一体になって呼吸している。そしてテーマを演奏し終えて、曲が終わった。


「ねぇ、杏ちゃん。今のスケールどんなのなん?」


「ああ、スパニッシュエイトやよ。クロマチックでアプローチする所もかなりあるけど」


泉がカードを見ている。
「コレかな?SpanishScale…C、D♭、E♭、E、F、G、A♭、B♭、Cやね」


「何そのカード?」と桜。

泉が答える。「カオシレーターのスケール表やよ。スケールを設定できるんよ。カオシレーターは」


「そうか。奇怪な即興曲ってさァ、スケールを複雑にしたら出来るかも。杏ちゃん、ありがとう。ヒントもらったで」


「さすが私のライバル。何(なん)かつかんだんやね」と笑う杏だった。