『テクノ×ギター女子』2 | まことアート・夢日記

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まことアート・夢日記、こと徳村慎/とくまこのブログ日記。
夢日記、メタ認知、俳句モドキ、詩、小説、音楽日記、ドローイング、デジタルペイント、コラージュ、写真など。2012.1.6.にブログをはじめる。統合失調症はもう20年ぐらい通院している。

カバパンダのものづくりブログ-2012061014430000.jpg

桜は、音楽室の向かいにある美術室にやって来た。


「美智ィー。助けてー。」

美術室に入ってくるなり、乱暴に楽器を床に置き、絵を描いている美智に正面から抱きつく。


「わー、レズ居(お)るー。」


「じゃかましわ、デブ山!」


「デブ山じゃねーし。ハア?大体ちょっと顔が可愛いからって性格悪過ぎるぞ、お前」


「ホメても好きにならんで」


「ホメてねーし」


「山本君、本当は桜ちゃんのコト好きなんやでー」


「茶化すなよ、部長」


実は、美智は絵が上手くて美術部の部長なのである。

一通り話し終わった桜が、ため息をつきながら言う。

「あーあー。
どうしよっかなー。
バンドないんじゃ、つまらんなー。
誰か私とバンド組みたい人ー…っておらんかー。
美術部やもんね、アンタら」


「そーいや、図書部の泉が時々ココに来るんやけどねー」と美智。


「ああ、アノ、オタク女?それがどーした?」


「何(なん)か楽器持っとったで。タッチパッドのやつ」


「何ソレ?私があんなオタクとバンド組まなアカンの?そりゃキツい冗談やぞ美智ー」


「何(なん)かソレでテクノを作りやるってさ」


「テクノ?普通、テクノにギターは要(い)らんやろ」

「いや、それが、アンダーワールドっていうバンドは、テクノにエレキギターでやりやるんやって泉が言っとったよ」


「テクノねぇ?どうやろ?ま、いっぺん、当たってみるか。前進あるのみ。我々はサルから進化したのだ」

「お前の場合、退化しとるんちゃうか?」


「デブ山、じゃかまし!」

「山本君のことデブ山って呼ぶの可哀想だよ」


*筆者のカバパンダは同性愛を差別していません。