こんにちは! こうの史代です。
さて!
ねえねえ、これ、知っとるう?
そう。菊です!
菊は菊でも、食用菊「松波」です!
① 花だけもぎ取るでしょ。
② 花びらだけむしるでしょ。
③ 沸騰したお湯に酢を足して(色が鮮やかになるらしい。入れなくても可)さっと茹でるでしょ。
④ ざるにあけて、水気を絞ると出来上がり!
平たくして冷凍しておくと、いつでもすぐ使えて便利です。
これ、クセがなくて、歯ごたえがちょっとむちっとしていて、美味しいんだよね。
サラダや酢の物やお味噌汁の具など、ちょっとした彩りに、何にでも使えます!
菊花茶は漢方では「眼に効く」と言われるから、これも眼にもいい…かもしれません。
東京にいた頃は山形産のをよく見かけましたが、西日本ではあまり売られていないので、苗をサカタのタネの通販で入手して育て始めました。
赤紫の「もってのほか」も同時に買いましたが、こっちの「松波」のほうが我が家の土に合うのか、大輪で元気いっぱいです。
美味しいうえに、観賞用の菊と変わらない美しさで、晩秋の物寂しいこの時期にたくさん咲くのです。
しかも丈夫で、挿し芽でどんどん増えるのです。
ああこれ、全世界の人に分けてあげたい!!
さて、菊といえば。
中国の伝奇物語集「聊斎志異りょうさいしい」の中の、「黄英」というお話を思い出します。
あるところに 馬 という菊が大好きな男がいた。
この日も遠くまで菊の苗を買いに出て、その帰り 陶 という若い姉弟と出会う。
気が合ったので連れ帰り、一緒に暮らすことにした。
陶きょうだいは菊を育てるのがとても上手で、育てた菊を売って、みるみる大金持ちになった。
馬は、妻が病死したのち、この姉を後妻に迎えた。
この弟はお酒に強くて、ある時 馬が酒豪の友人と飲み比べをさせてみた。
すると酔いつぶれた弟は、巨大な菊に変身してしまった。
姉が引っこ抜いて、上着をかけてやったら、元の姿に戻った。ふたりは菊の化身だったのだ。
その後も、弟は酔いつぶれるたび菊に戻っては、姉に直されるのだった。
でもある時、馬が代わりに直そうとしたら失敗し、弟は枯れてしまいましたとさ。
わたしは「聊斎志異」が大好きなのです。
まだ全ては読んでいないし、忘れてしまったお話もたくさんありますが、こういう楽しい友情のお話はとりわけ好きです。