朝井まかて
新潮文庫
2016年10月発行
お初の著者さんです。
内容が北斎の娘、お栄のことである ということを知って借りました。
北斎関連では下記のような本を読んでます。
他にも百日紅(漫画:杉浦日向子さん)は愛読書です。
説明が難しいので・・カバー裏から引用させていただきます。
あたしは絵師だ。筆さえ握れば、どこでだって生きていける・・・。
北斎の娘・お栄は、偉大な父の背中を追い、絵の道を志す。
好きでもない夫との別れ、病に倒れた父の看病、厄介な甥の尻拭い、
そして兄弟子・善次郎へのままならぬ恋情。
日々に翻弄され、己の才に歯がゆさを覚えながらも、
彼女は自分だけの光と影を見出していく。
「江戸のレンブラント」こと葛飾応為、絵に命を燃やした熱き生涯。
ってことで・・
はい、北斎が卒中で倒れた時・・滝沢馬琴がやってきて語った言葉が印象的。
「儂はかような往生など、望まぬわ。その覚悟で卑しき物書きに身を落とし、家人を養うて参ったのだ。
たとえ右腕が動かずとも、いや、この目が見えぬ仕儀に至ても、儂は必ずや戯作を続ける。
まだ何も書いてはおらぬのだ。己の思うままに書けたことなど、ただの一度もござらぬ。
その方もさようではなかったのか。児戯に等しき絵を描き散らしおって、これでもう満ち足りたか。
これからが北斎画業の本領ではなかったのか。描きたきこと、挑みたきことはまだ山とあるのではなかったか」
こう言われて北斎は久しぶりに身体を起こそうとするのです。
そしてリハビリを続けて・・
馬琴については失明しても息子の嫁・お路に口述して八犬伝を書き続けた、とのこと。
しかもその嫁はほとんど漢字を知らなかったと・・
それだけの苦労をしても書き続けたんですよね。。
話が北斎からもお栄からもずれてしまいましたが・・
ちょっと書いておきたかったので・・
この本ではお栄が色に拘ったことが書かれています。
自分で色を作り出す。貝殻を集めたり・・いろんな手段で。
そうして自分だけのものを描く。
北斎も凄いけれどお栄も凄いですね。
もっと他の本も読んでみたいです。
ただ・・私のイメージはどうしても「百日紅」から離れられない・・