2009年公開の織田裕二主演の映画『アマルフィ 女神の報酬』のロケ地で話題となったアマルフィ。

 

ナポリの南東70キロにも及ぶ風光明媚なこの海岸の美しさは、「世界一の海岸線」と謳われるほど。

 

ナポリの空港で借りたレンタカーで、まず「SS145」道路を南へひたすら進み、「SS163」道路に入ったあたりからこのような絶景が見えてきます。

 

アマルフィ海岸には、「アマルフィ」という街以外に、「ポジターノ」や「サレルノ」といった大小様々な街が点在しており、それらが並ぶ海岸線一帯を「アマルフィ海岸」と呼んでいるのです。

 

アマルフィだけ腰を据えて観光するのもいいのですが、如何せん大変小さな街なので、観光やショッピングに海水浴、はたまたリゾートステイなど、欲張りに楽しみたいなら他の街も合わせて観光することを視野に入れなければなりません。

 

また、6月下旬のバカンスシーズンがまだ最盛期を迎えていない時期にも関わらず、午後、アマルフィの街に我々が到着した時には全ての駐車場がとっくに埋まっており、あえなく別の街に移動せざるを得ない状況になりました泣

もともとアマルフィは海沿いの小さな街なので、こんなに人が来ることを想定しておらず、この時期だけ完全にキャパオーバーといったところでしょうか。

本来ならば入場制限をかけてもいいぐらいのごった返しぶりでした。

 

もし、この街を楽しもうと言うなら実質、朝一番のりで行って駐車場を確保するか、もう宿泊客として滞在するかの2択になります。

 

 

さすがにここまで来て素通りするわけには行かず、ドライバーには申し訳ないのですが、私だけ車から降りてささっと写真を撮ってくることに。

この街一番の観光スポットがこちら「アマルフィ大聖堂」。

 

「天国の回廊」と呼ばれる中庭は、どこか南国の雰囲気に満ちた教会でした。

 

中はしっかりと豪華な構えで、天井の隅々まで壁画で覆い尽くされたその光景に思わず息をのみます。

ちなみに、半ズボンやキャミソールなど、肌の露出が多い格好だと何か羽織るように注意されますのでお気をつけください。帽子もNGです(私も怒られました)。

 

教会を出たところには、ここの名産アマルフィレモンを使ったお酒「レモンチェッロ」を取り扱うお店が。

 

大小さまざまなデザインのボトルが購買欲を掻き立てます。

 

こちらは南イタリア中心に、ヒッピーファッションをヒントにビーチスタイルをミックスさせたファッションを展開する「antica sartoria」。

軒に吊るされた白とブルーの鍵編みワンピースたち。

見ているだけで爽やかで涼しげな夏を我々に感じさせてくれます。

 

ビーチもこの日はこのとおり、多くの海水浴客で賑わっていました。

 

山側を振り返ると、美しい緑の中に小さな建物が可愛らしく海を向いて座っています。

 

さて、お楽しみのお昼の時間。

再び車に乗り込み、少しポジターノ向いて走らせるとこんないい感じのレストランが。

 

せっかくなので、海の見えるテラス席でいただくことに(のどかだなあ)

あ、テーブルのデザインもあのナポリで見た「マヨルカ焼き」だ!

 

魚介をふんだんに使用した海の幸パスタ。

日本の「ほうとううどん」にも似た特徴的な形の麺は食べてみるとモチモチの食感。

 

テラス席から見える風景は格別。

太陽光の反射でキラキラと輝く水面が美しい。

 

贅沢なランチの後は、このレストランのすぐ横手にある「エメラルドの洞窟」めざして階段を降ります。

洞窟内には小型のボートがあって、船頭さんの導きで目的のポイントへと進みます。

 

うわあ!きれい!!!

洞窟の中にわずかに光が差し込んだところが見事なブルーの輝きを帯びていました。

 

世界的にはカプリ島の「青の洞窟」が有名ですが、こちらは天候に左右されやすく、ピーク時でも75%の入場率の中、この「エメラルドの洞窟」は人も少なく、洞窟の構造上、入場規制がかかることも少なそうで穴場感満載。

 

 

美しいものをこの目でしっかりとおさめた後は、アマルフィ海岸でも特に人気の街「ポジターノ」へ。

ポジターノはショッピングや町歩きがメインの海洋都市。

アマルフィ同様、どこもかしこもたくさんの人で賑わっていました。

 

ビーチには日光浴を楽しむ人々の姿と、ビーチのすぐそこにまでたくさんのボートが停泊していました。

うかつだったのが、ヨーロッパ人の海水浴のスタイル。

 

彼らの大半はあまり海の中に入ろうとせず、ビーチでひたすら肌を焼きながらのんびりと過ごすようで、小さな子ども以外、海に入っている人をあまり見かけませんでした。

また、ボートのせいでせっかくのきれいな水も汚れてしまい、ポジターノのビーチではとても泳ぐ気にはなれません。

 

もし、アマルフィ海岸で海水浴を楽しみたい方は、汚い水のポジターノと人混みでごった返すアマルフィのビーチは避けて、海岸線に何箇所かある別の海水浴場を探したほうが良さそうです。

 

気を取り直して、ビーチフロントのカフェで喉の渇きを癒しましょう。

 

こちらは、アマルフィレモンを使ったシャーベットとフローズンドリンクの中間形態に当たる「グラニータ」とかいうスイーツ。

さっぱりした口当たりで暑い夏にぴったりのデザートでした。

 

さて、お次は散策タイム。

この街で一番賑わう「ムリーニ通り」には、ブーケンビリアが天井いっぱいに咲き乱れる美しい小道があります。

ビーチへと続く人気の多い道を歩いていたらここは自然に通るようになっていますのでご安心を。

 

伝統工芸「マヨルカ焼き」のお店。

細かい部分まで丁寧に着色されたカラフルなデザインに、職人の技が光ります。

 

新鮮なフルーツや野菜がずらりと並んだ楽しいワインショップも。

 

街中は細く入り組んでいて迷路のよう。

あちこちにカワイイお店が立ち並び、ショピング好きの女性にはたまりません。

 

 

南イタリアの良さが凝縮された南国ムードたっぷりのアマルフィ海岸。

遠くの波しぶきをあげて走るボートですら、この美しい景色を演出する大事なピースの一つ。

もし、次回の訪問があるなら、今度はゆっくり宿泊でもと思った次第です。

 

 

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