いやあ、ナポリ。

初めてのイタリアにしてはハードル高かったですわあ。

 

だってこれやで?

外の熱気に混じって街角から漂ってくるアンモニア(尿)臭やマリファナ臭、

きったない壁に乱雑に書き込まれた落書き。

歩行者に覆い被さるように空へと伸びる錆びついて古びた建物と、


そのベランダから伸びるロープにぶら下がって風にたなびく誰かさんの洗濯物。

 

・・・ここ、東南アジアかなんかですかね?

 

ローマ・フィレンツェ・ベネチアとはひと味もふた味も違う雑多な光景にとにかく圧倒されたってのが正直な感想。

 

イタリア第3の都市にして南イタリア最大の街・ナポリというところはなんとディープなことか。

 

 

道路状態も悪く道はガタガタで、そこらじゅうでクラクションが鳴り響き、路上駐車どころかさらにその真横に駐車する二重路駐も当たり前。

 

こんな状態だから空港から市内のホテルにレンタカーでアクセスするのに何度もヒヤヒヤさせられた。

 

なるほど。だからレンタカーがどれもボコボコだったわけだ(フルカバーで保険入らんとやっていけんな)

 

 

しかし、ナポリと言えばあのマルゲリータを生み出した「ナポリピザ」発祥の地でもあります。

 

ということで、googleの評価が割と高い「Pizzeria Napoli In Bocca」さんにおじゃまんぼ。

ちゃんとピザ釜がある!!

 

こちらは確か「マリナラ」というメニュー。

これね、マルゲリータっぽい見た目だけど味、結構違うのね。

ニンニクの香りとハーブスパイスのコンビネーションが絶妙で食欲をそそられクセになっちゃいそう。

 

ナポリにはピザが食べれる店が星の数ほどあるけど、本当にピザ屋はピザだけで勝負してんのな。

この店だって、メニューはこの「マリナラ」と「マルゲリータ」の2種類しかなかった。

 

パスタ食いたきゃ、ちゃんとパスタ屋に行かないといけないことがわかった。

 

 

ナポリにはディープな旧市街とは裏腹に観光するところもたくさんあって、例えば・・・

「ガレリア・ウンベルト1世」というたいそうな名前のついた歴史的建物のショッピングモールや、

 

 

「王宮」というだけの逆にシンプルすぎる名前の宮殿の中を見学できたり(せめて誰の城かまで入れろや)、

 

王宮の前には「プレビシート広場」というまあこれはただ外側を見るだけの建物があった。

 

こちらは「ヌオーヴォ城」。3柱の石造りの出す「当時のまま感」が遠目に見ても伝わってきてすごい。

 

そして一番グッときたのはこれよ。

回廊の中庭の柱が全て、伝統工芸「マヨルカ焼き」で設計された美しい「サンタキアラ教会」。

青空をバックに今日も凛とした姿を我々に見せてくれます。

 

 

さーて、これから楽しい楽しい町歩き!

どんなものに出会えるのかワクワクしながら足を進めます。

 

南イタリアといえば太陽をたっぷり浴びた果汁をいっぱい含んだレモン!

店内にはレモンを使った商品がたくさん並べられていました。

 

ほら。路上で売られているフローズンドリンクにもちゃんとレモン味がありましたよ〜(右はメロンだけど)

日本ではアーティフィシャルな味になりがちなフローズンドリンクでも、ここのはちゃんと生のフルーツから作られていることがわかる。うまい。

 

このカワイイ見た目のお店はイタリアンジェラートの専門店。

 

オーソドックスなものから変わり種まで20種類ほどのフレーバーがずらり。

私はグアバ&パパイヤ味が珍しかったので一つ注文。

ちなみにこの日の気温は摂氏35度。

港町だからか、塩気を含んだ湿って重たい空気が体にまとわりついてちっとも汗が乾かない。

まるで日本の夏を彷彿させるな、ナポリよ。

口に含んださっぱりしたジェラートが救いだ。

 

ぬぬ!!街角のケーキ屋のショーケースが普段住んでるオランダよりもはるかに充実している!!!

さすがイタリア様です(オランダも見習えよください)。

 

ん?これはパン屋か?チーズ屋?それとも燻製肉を扱う専門店か??

わかった!お前はおつまみ屋だな!!(ワインもあるし)

 

そしてつまみ屋(勝手に名付けた)をスルーし、我々は向かいにあったお店でこちらを購入。

カッテージチーズとベーコンが入っててこれはこれでうまい。生地も割ともっちりめ。

ナポリみたいな下町にはやっぱこういうB級グルメがいい(上で出てきたピザだってLサイズのデカさで€5以下だったし)

 

そういえばイタリアといえばレザー製品。

こういうハンドメイドの小さなお店を何店舗か見た。

そして往往にして日本よりも断然お安く購入できてしまうのが嬉しい。

 

 

そんな感じで、初日は華々しくナポリの洗礼を受けた我々だったが、街を出る頃にはすっかりここを気に入っている自分がいた。

旅人を異世界へと迷い込ませる複雑な都市空間。

 

まるで時代が移り変わるのを拒んでいるかのようにも見えるずっと変わらないその光景は、訪れる人の心を捉えて放さない。

 

 

 

私も案外まんざらでもなく、

 

その魅力に取り憑かれた一人なのかもしれない。

 

 

 

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