眠れない、とひとくちに言っても
横になっているのに眠れないのか
横になるヒマもなくて眠れないのか
それだけでもう
見え方はまったく変わってくる
現代社会を生きる我々の睡眠事情。
背景にある事情がどうあれ
眠りたいのに眠れないのは
本当につらいですよね。。。
私は心理士だから
どちらにお目にかかるかといえば
「眠りたくて横になるのに眠れない」
という方々のほうが多いです。
まぁ、これはイメージ通りですよね。
で、医療につながっていらっしゃる方では
当然、なんらかの診断がついているケースが
多くなるわけですが、
実は睡眠ー覚醒障害単独のケースは
あんまりなくて
『うつ病や不安に不眠が伴う』
といったケースが圧倒的に多いです。
これはちょっと意外に感じる方がいても
不思議ではないかなぁ、と思います。
どうなんでしょうね。
この話（睡眠障害単独は意外と少ない件）は
当たり前にみえてそう簡単な話でもなく
とはいえ考えてみるとそう不思議でもない
トラウマに関心のある私としては
非常に興味深い現象だよなぁ、
と思っています。
睡眠障害、とか
不安障害、とか
大うつ病性障害、とか。
そういうふうに個別に理解したのでは
見えづらいものを
睡眠ー覚醒の調整が
身体ではどう行われているのか？
を考えると
いっきにつながりが見えてくる。
そういう面白さがあると思っています。
で。
精神科の疾患を個別に理解するのに
世界的な基準として使われているのが
DSM（Diagnostic and Statistical Manual of Mental Disorders）
と呼ばれる診断・統計マニュアルです。
精神的な疾患を
原因論を排して症候群として鑑別するという
DSMには前提＆限界があるんだけど
その限界は臨床場面で顕著に現れる。
なので、現場に携わる限りは
『臨床上ではどうかかわるのか？』
『どう現症を捉えるのか』
も忘れずにいないといけない。
なぜなら
DSMはそもそも学術研究用だから。
いや、日本では「結果として」なのかもしれない
えー！
って感じだけどそうなんだよねぇ。
といって、じゃぁ、
ICD（の精神と行動の章、以下略）が
どれだけ臨床を反映しているのか？
というとそう違わなくて
（多少シンプルで現場で使いやすい）
それだけ精神科医療・医学には
未知の部分が多い
っていう写し鏡でもあるってことよね、
と思っています。
と、まぁ
そういう背景のあおりを受けて？
日本の精神科界隈？は今のところ
DSMとICDのダブルスタンダード状態。
ふと思ったけど
身体科ではどうなんだろう？？
今度訊いてみよう
とにかく、
WHOに加盟している日本は
ICDが定めたコードで
疫学的なデータを取るのに
（取らざるを得ない）
なぜか精神医学（医療じゃなく医学）は
DSMの診断基準に準拠している（多くの場合）。
このめんどくさい複雑な
ダブルスタンダードを両立？させるために
おそらくたいていの医療機関や医師が
レセプトではICDコード
論文ではDSM
と使い分けているんだろうと思います。
･･･って昨日の続きを書こうと思って
軽い前振りのつもりで
精神科医療・医学には
未知の部分が多い
って話をするはずが長くなって
完全に脱線してますね･･･。
もうごちゃごちゃ書かずに
この２行でよかったじゃん、
とさえ思えてくる･･･。ごめん(笑)。
いや、ただ、
これだけいろいろに基準があるってことが
（しかも数年で変わることもある）
実は実態をつかんでいない
と言っているのも同じで
DSMにしろICDにしろ
ここまでの ”暫定である” の意識を
忘れてはならない理由なんですよね。
”中の人” じゃない人には
信じられないかもしれませんけれど。
ICDの章立てを見るだけでも
その辺は明らかで、
５章が「疾患」ではなく「障害」とあるのも
ちゃんと意味があって
”便宜上、暫定的に分類しましたよ” の
意味を込めた言葉が
充てられているんですよね。
それくらい未知の部分が多い分野であると
国際的な機関が認めているわけです。
〈疾患と障害〉
元来、偏見・差別的な意味はなく
それぞれ意味をもった専門用語として
明確に使い分けられているのですが
響きのせいか忌避されることが多くなりました
うーん、
やっぱり長くなってしまった。
というか
ぜんぜん収拾がつく気配なし。
我ながら一体どうするつもりなんだ。
もう時間も時間ですし
また明日以降ですかね（？）。
気長にお付き合いください(笑)。
Have a nice weekend! 
カミヤカオリ