クライアントの味方になる | ひとしずくの純金

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たったひとつのわたしの生き方を見つける旅

 

クライアントの味方になる。

コーチとして対人支援に携わると

一度は耳にするフレーズだと思う。



クライアントの味方になって話を聴く。

その思想そのものは
確かにそうだなぁ、と思いつつも

この表現は誤解を生むんじゃないか・・・
とも思っています。



ときおりコーチの方から
ご相談を受けることがあるけれど、

この言葉が与える
葛藤や影響の大きさを考えると

「味方になる」っていう表現は
検討の余地があるよなぁ、と思う。









「味方になる」

響きはいいよね。

目標に向かって頑張ろうとする人を
守り、応援し、共に戦うイメージだ。

ドリームキラーなんて言葉もあるように
夢を生きる人の周りには
確かに ”敵” が多くなりがちだから。



だけど、本来
夢を生きる人が戦うべき相手は

周囲の人ではなく
己の不安とか怠け心とか
そういう内的なものじゃないかと思う。

いや、もっといえば
戦うのではなく
味方につけるべきものだ。

 

自分で自分の味方になれるよう

自らを成長させていくこと、

 

これこそがコーチングの

醍醐味じゃないかなぁ、と思う。



そういう中で
「味方になる」の意味合いを
安直にとらえてしまうと

あちこちで
不具合が生じるんじゃないかと思う。

例えば、

コーチが文字通りの味方になる、

みたいなこととかさ。

 

そういうハナシじゃないよなぁ、

などと私は思う。




そもそも

「味方になる」といった瞬間に
敵がいることになってしまう。

敵対する何かを想定するから
味方が必要なのだ。

それは、他者と自分を
敵と味方に分断するワードになる。



これでは
客観的にニュートラルに聴く

 

といいながら
バイアスしているよねぇ。

この辺り、

どうおさめているのだろう??
 

私にはよく分からない。

味方にならなくても
相手の話を誠実に聴くことは
できると思うんだよね。

どうなんだろう。

 



味方になる。

もともとは
「同じものを見て応援する」
くらいの意味合いだったのだろう。

味方にならなくても
相手がどんな世界を見ているか、を
知ろうとする姿勢は保てる。



相手の生きる世界に近づき

何を見ているか
何を体験しているか

それを知ることの

第一歩を表現する言葉として
 

「味方になる」を言うのであれば

それ以外の表現でいくらでも

同じ意味を伝えることはできる。

敵の存在は不要だ。



この言葉に限らず

あるひとつの言葉だけを
文脈から切り離し

その意味を原理主義的に追求すると

結果、もともとの意味合いから
遠く離れてしまうことがあるよね。



「味方になる」だけを切り取って

「味方にならなくっちゃ」
と真面目にやろうとするほど

歪みが生じるんじゃないかな。

その歪みは聴く姿勢にも歪みを与え
 

本来求めるべき姿勢をも

歪ませかねない。



そして、その歪みに気づける
真面目なコーチほど苦しむんじゃないか。

自分のやっていることはなんなんだろう?

味方といいながら
なりきれない自分はなんなんだろう?

と。

 

 

頑張りすぎると
ふと全体が見えなくなることが
誰にでもあるよね。

だからこそ
うまく息を抜きながら
長く続けられるとよいなぁ、と思います。



頑張ってるよね。
その頑張りはいつか花開く。

共に参りましょう。



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