準備ができたとき事件は起こる

怒りを表明する。

難しく感じることも多いかもしれません。

あるいは
怒りの表明そのものの難しさより

怒りを表明することへの否定的な見方と
付き合うことの難しさ

のほうが大きいかもしれません。

どうも悪役になりがちの怒り。

怒らない人のほうが大人に見えるし
器が大きく、優しそうにも見える。

人間関係にひびがはいらない
安全なあり方でもある。

だけど、ここぞのときは
やっぱり怒りを表明することが
必要なんだと思います。

そして、その場面は突然やってくる。

クライアントさんたちとかかわる中で
私が感じるのは

そのための ”事件” は
クライアントさんの中に準備ができたとき

思いがけない形で
思いがけないタイミングで起こる。

そういうことが多いな、と思います。

優しくて
思いやり深くて

むしろ気を遣いすぎるくらい遣って
ぐったり疲れてしまうような

そういう怒りのエネルギーを

他者に合わせ、
自分を抑え込むことに使ってきた人たちが

いよいよその力を
自分のために使う準備ができたとき

”事件” はやってくる。

いい人をやめ
相手に合わせる一方の自分を脱ぎ捨て
自らの意思を表明するとき

自分の中に思いもしなかった
強いエネルギーがあることに気づく。

いままで抑え込まれていたエネルギーは
時に自分でもびっくりしてしまうほど大きく

うまく制御しないと
勢いがつきすぎてしまうこともある。

扱い慣れないエネルギーを
予期しないタイミングで表明してしまって

かえって自分が傷ついてしまったり
後悔してしまうこともある。

だけど、
怒りのエネルギーを自分の手に
取り戻したこと自体は間違っていない。

慣れないことだから
調整がうまくいかないことが
あるかもしれないけれど

戦うエネルギーを取り戻すこと自体は
歓迎すべきことだと私は思う。

エネルギーを取り戻す過程で
使う方向性やタイミング、調節も
ふたたび取り戻せばいい。

それだけだ。

自分でも気づかないうちに
長く傷つけられた人たちは

怒りのエネルギーを

奪われていることが多い。

自らを救えなかった経験は
無力感や無気力、無価値観などを
増長させてしまう。

自分なんていなくても･･･

どうせやっても･･･

きっとだめに決まってる･･･

そんなイメージが

自分と世界に対して定着してしまう。

もう一度、自分を取り戻し
生き生きとしたエネルギーで

自らを満たすために

正当な戦いをすることは
なんら悪はないと体感していくことが

ぜひとも必要なのだと思います。

自分には自分を守る力がある。
そう体感する。

そのプロセスをうまく通過できたとき
自分と自分を取り巻く世界とに

深い安心が心の底から

湧いてくるのだと思います。

にこにこへらへらしすぎたりするのも
キレて爆発してしまったりするのも

どちらも両極端で

怒りとうまく

付き合えていないように思います。

一人の大人として
怒りを適切に表明できないのは

本来あるべきエネルギーを封じ込めるか
エネルギーに飲み込まれるかしています。

どちらも

生きずさにつながっていないでしょうか。

せっかく備わったエネルギーを
もっと健全な形で使ってあげてほしい。

本来の力が出せてないと思うなら
その点、ぜひ考えてみてほしい。

本当はもっとできるはずなのに。

そう感じている人には
コーチングよりカウンセリングがいい
と私は思っています。

自分でも気づいていないことが
足を引っ張っていることって多いですよ。

怒ってはいけない、