あと少しで日没という時刻、
それぞれのママに見守られながら
子どもちゃん二人が
元気にはしゃいでいる。
「今日はサンタさん来るから
早く帰る~」
(そうな、それがいいよ)
「えー!違うよ!
サンタさんは明日来るんだよ!」
(お、そうか、明日か
明日のオウチもあるかもな)
5、6歳くらいか。
とても嬉しそうだ。
そうだよなぁ、嬉しいよなぁ。
サンタさん来るの、嬉しいよなぁ。
今日は早く帰って
早く寝ないとね。
ご馳走もあるかもしれないし
ケーキだってあるかもしれない。
早く帰らないと。
公園を通り抜け
二人の声が聞こえなくなってからも
なんとなく
あの子どもちゃんたちのことを
思い返す。
まだまだ彼らは
サンタクロースを信じている。
サンタさんはどこか遠いところから
そりに乗ってやってきて
プレゼントを届けてくれると
信じている。
サンタクロースは
どこか遠いところじゃなく、
本当はいつも近くで
見守ってくれているってことを
今はまだ知らない。
彼らの世界のどこかには
まだサンタクロースが生きている。
サンタクロースが生きる世界の中で
まだ守られている。
平和だ。
鼻がきゅっと縮んで
目の奥がぎゅっとにじんでくる。
そして、彼らは
サンタクロースが来ない子どもたちが
世界にはたくさんいる
ってこともまだ知らない。
うん。
大丈夫、まだ知らなくていい。
知らないでいられる時間なんて
ほんのわずかなのだから。
世界中の子どもたち全員に、
誰一人残さず全員に
サンタさんが来ればいいのに。
薄暗くなり始めた空を見上げて願う。
だけど。
現実はそうもいかないか。
宗教や思想の違いもあるし
格差は埋まらないし
物で得られる幸せには限界がある。
それでも思う。
誰もが衣食住に不安がなく
暖かで安全なオウチがあって
健康的な生活ができればいいのに。
戦争とか災害とか
さまざまな不和がない
平和が実現すればいいと思う。
大人にも子どもにも
みんなにサンタクロースみたいな
平和がやってきますように。
カミヤカオリ
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年末年始休業
2022/12/29(木)~2023/1/8(日)
1/9(月)から通常運転です
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