2022年1月【読書記録】6冊 | ひとしずくの純金

ひとしずくの純金

たったひとつのわたしの生き方を見つける旅

 

今のところまだ雨のようですね・・・

連休明けに雪は
心配している人も多いよね。

このまま雨だといいけど・・・。



外の様子がちょっと気になりつつ
1月の読書記録参ります!

寒い時は引きこもって読書が一番よね。
ふふふ。
 

 

 

 

『悲しみのゴリラ』
ジャッキー・アズーア・クレイマー 文
シンディ・ダービー 絵
落合 恵子 訳

これは泣いちゃったな。
これに限らずたいていすぐ泣くけど。

ひさびさに絵本。
ママを亡くした小さな男の子。

どのようにして死を理解するのか。
どのようにして悲しみを受け入れるのか。



残された男の子とお父さんの
悲しみの表現はそれぞれだけど

どちらの表現も
キリキリとキリキリと刺してくる。

男の子にはたくさんの疑問がある。

どうして?
どうして?

そのプロセスに寄り添うゴリラは
嘘をつかない。

分からないことは分からないという。
気休めを言わない。ごまかさない。

そして、役目を終えると
静かに去っていく。



ふぅ。。。

できそうでできない。
簡単そうで簡単ではない。

大人は言葉が多すぎる。
 

 

 

 

『色どろぼうをさがして』
エヴァ・ジョゼフコヴィッチ 著
大作 道子 訳

こちらは思春期の女の子の
やはり悲しみの物語。

あれ?そうか、
これもお母さんが亡くなる話だっけ?

いや、違う、亡くなるんじゃない
大事故に巻き込まれて昏睡状態になるのでした。



「ママの事故は自分のせいだ・・・」
と思い込んで苦しむ。

あの時、あんなこと言ったから・・・。
自分のせいだなんて誰にも言えない。

そういう中で
ママが描いてくれた大事な絵の中から
毎日ひとつずつ色が失われていく。

他の人には前と同じ絵に見えるのに
自分だけが色を見ることができなくなる。

近所に引っ越してきた男の子とかかわりながら
自分を取り戻していくんだけど・・・



うーん。

何も知らなかったら
希望のあるエンディングにほっとして

終わりにできたと思う。

物語を楽しむって
正確さを求めると半減しちゃうから。

実際、登場人物も優しくて
好きな人がたくさん、
いい物語だなぁ、と思う。



だけど、それ以上に
「トラウマの克服方法」については

あーあ・・・
そうだよねぇ、
世間にはこういう誤解があるよねぇ、、、

と一言、言わずにいられない。

善意でやることも
準備とタイミングがまずければ
再度トラウマに暴露するだけなんだけどな・・・

なんて思う。

そんな専門的なハナシ
ここでは求められてないよ、と

自分でも思う。

「自分のせいだ」
と子どもが思ってしまうのは
よくあることだし

その点で救われる人がいるとよいな、
とは思うものの

トラウマ的な出来事を克服するには
自分に向き合って、
つらくても話さなければいけない

という世間の誤解はどうにもこうにも・・・。
とちょっと複雑な気持ちになった一冊でした。

 

 

 

『大いなる眠り』
レイモンド・チャンドラー 著
村上 春樹 訳

おもしろかった。

ミステリー?なのに前半で
一応の問題解決に至るのだけど

いや、ちょっと待ってよ
なんかモヤモヤ残るんだけど・・・

どこか割り切れない、終わりにできない
なんなのこの感覚・・・

と早々に山場を越えるのに
さらに後半にも山場を迎えるという。



うーむ。
すごい作品に出合っちゃったな。

ミステリーはミステリーだけど
ドラマとして読むほうが合う。

 

というか、なんなのこれ。

 



などと思っていたら
「訳者あとがき」(解説?だったかな)が
すごく分かりやすかった。

さすが村上春樹、今までで一番
読み応えのあるあとがきだったかも。

誰のどんな著作でも


あとがきが面白い!とか、確かに!とか
思うことってほとんどないけど
(それでも全部読む活字中毒者、笑)
 

これは本当に読んでいて面白かった。

こんなこと書いたら世界中のハルキストから
「当たり前だろ、失礼なこと言うな」と
お叱りを受けそうですが(笑)。



村上作品は20代のころにまとめて読みました。
20年以上前ですからね・・・

そのころ発行されていた作品は
かなり網羅したと思う。

でも、その後の作品は・・・
ひょっとして一冊も読んでいないかも。

この20年の間にベストセラーだって
何冊も出てますよね。

なんで読んでいないのかな。
ひさびさに読んでみようかな?


 

 

『三千円の使いかた』
原田 ひ香 著

おもしろかったです。

マネーリテラシー向上のための実用書
・・・ではないのですが、

そこそこ基礎知識的な情報も入っていて

関心を持ち始めたばかりの人や
どこから学べばいいの?という人には

入門前の入門書みたいに読めるのでは?
などと思いました。



お金の話を軸にした物語って
なんだかおもしろいですね。

お金って、生涯にわたって
どう付き合っていくか、を
一人ひとりが考えていくべき事項なのに

つきあい方としてのお金って、
小説にはあんまり
取り入れられていないですよね。

骨肉の相続争い(=ドラマの材料)
みたいなのはあるかもですが。



生き方と貯蓄、

ひいては働き方や暮らし方というのは
とても近いところで絡み合っているのに

大切な人との間で
どれだけ正面をきって話せているだろうか。

例えば、年老いた親の年金生活の実態を
子どもたちはどれだけ把握しているだろうか。

なんとなく「大丈夫だろう」と
想像しているのが実態かもしれない。

夫婦の家計は何を目標に
どこまで貯めると決めているだろうか。

二人の目標意識は足並みが揃っているだろうか。

こういう大事なことを
きちんと声にだして話し合えることが
どれだけ大切なことか。

こういうのも一つ
愛情表現だよなぁ、などと思ったり。



あ、あと、お金の話とは
ちょっと違う場面なんだけど、おまけ。

おばあちゃんが
青年に喝を入れる場面・・・

あれは痛快だったな(笑)。

 

 

 

(左)『自宅で最期を迎える準備のすべて』
大軒 愛美 著

(右)『74歳、ないのはお金だけ。あとは全部そろってる』
牧師 ミツコ 著

上の『三千円の~』に続いて
終いの話やら、お金の話やら。

私の頭の中が透けて見えるようで
ナンですが(笑)。



私は個人事業者ですから
定年は自分で決められるとはいえ
それも健康あっての話。

どこまで働けるかは誰にも分からない。

65歳までならまぁ大丈夫だろう、と
自分の健康をアテにするなら
元気に働けるのはあと15年ぼちぼち。

それ以降は働けるとして、それを

ラッキーと考えるか
まだ働かにゃならんのかと考えるか

意見は分かれるところでしょうけれど。



私は独り者ですし、
子どももありませんから

どう終うのか、は
ちゃんと考えておかないとなぁ、と。

似たような年齢の友人とも
ときおり話し合ったりします。



お金のこと
住まいのこと
最期のこと

こういうことの重みが
若い時とは変わってくる年齢です。

親兄弟でもパートナーでも友人でも
こういうことがきちんと話し合えることが
信頼であり愛情だよなぁ、

などと思うようになってきました。



左の『自宅で最期を~』は
具体的で実用的な内容で参考になりました。

こういうことは制度が変わるでしょうから
その時々でタイムリーな情報に
アップデートしていく必要があるけれど

大枠を知っておくことは
およその予測が立ちますし

ブラックボックスが小さくなって
知ってよかったなぁ、と思いました。



・・・とはいえ、
元旦からこの本の表紙をzoomで見せたら
さすがに両親は爆笑してましたが。

いやいや、
マジメなハナシなんだけどな(笑)。

ま、確かに
元旦の話題ではないかもしれないけど

こういうタイミングじゃないと
3人揃わないじゃんね。

 

きっかけもつかみにくいし。



少なくとも
「私はこういうこと考えてるよ」

と伝えたいし、
安心もしてもらいたい、とも思う。

ねぇ、マジメなハナシですよねぇ。
お年頃のみなさんはどうしてますか??



死について
お金について

なかなか話題にしないけれど
大切な人だからこそ話したいことでもある。

そういう話ができる関係が
人生にいくつあるだろうか?

どうだろう?

 



私は愛する人と

この手の話をしたいな、と思うほう。

 

言い合いになったり

気まずくなることもあるだろうけど、

 

それでも正面から話し合いたいな、

って思う。


まだまだ先だ、

なんて蓋をしていられる状況が

あとどれだけあるだろうか?

 



というわけで
1月もいい出合いがたくさんでした。

みなさんはどんな本を読みましたか?
いい出合いがありますように。
 

 

 

 

カミヤカオリ

 

 

 

 

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