2022年2月【読書記録】2冊+1冊 | ひとしずくの純金

ひとしずくの純金

たったひとつのわたしの生き方を見つける旅

 

昼間は暖かいようでも
陽が落ちるとまだまだ寒いですね。

もうみんなお家に帰ったかな。
これからお帰りの人もいるよね。
 

どうぞ冷えないように。



さてと、3月ももう9日、
2月の読書記録参りましょうか。

2冊とはずいぶん少ない。
ほとんど読めてなかったのだな。

 


 

 

『さよなら、愛しい人』
レイモンド・チャンドラー 著
村上 春樹 訳

1月の前作に続いて
レイモンド・チャンドラーです。

私立探偵フィリップ・マーロウ
シリーズ2作目です。

マーロウ・シリーズは
どうやら7冊出ているのかな。

なんだかんだ言いながら
ぜんぶ読んじゃうんだろうな・・・の予感(笑)。

登場人物が豊かで
つい、引き込まれちゃうんですよね。



時代は100年くらい前。

不快な臭いが鼻先に漂うような、
思わず顔をしかめる描写が多く

そんなときは
早くその場を立ち去りたくて
ささーっと読み飛ばしてしまう。

そういう風景を感じるんですよね、
この人の作品は。

読まなきゃいいじゃん、って
自分でも思うんです。

でも読んでしまう。
おもしろいから。


心情的にも法的にも割り切れないものを
あえてテーブルにのせるような

”世の中に存在するグレー” に対峙する
マーロウの姿勢がおもしろいのかな

なんて思います。

グレーに向き合う姿勢は
人それぞれなんだけど

この人の距離の取り方には
うなずくところも多いなぁ、などなど。
 

 

 

 

『楽園のこちら側』
スコット・フィッツジェラルド 著
朝比奈 武 訳

これはノーカウントの一冊。
読み切れなかった。
途中で投げ出しました。

1/3か1/4ほどは
頑張ってみたけど・・・


あまりにあまりでうんざりしてしまった。

(好きな人がいたらごめんなさい!
 私には合いませんでした・・・)




専門書や実用書は別にして

自分の意思で
「もうこれはいい」と中断したのは
小説の類ではほとんどない・・・と思う。

 

なにしろお菓子の箱の裏まで

文字ならとりあえず読む活字中毒ですから

「読み始めたけれど、後で」

「読みたいけれど、今の私には無理」
はいくつかあって

それは私にとって
飽くまでも ”読み止し” です。

でも、これは中断。



フィッツジェラルドのデビュー作というから
『グレート・ギャッツビー』
を読む前に読んでおこうかな、
 

と思ったのがきっかけでした。

しかしですよ。

これは『ギャッツビー』を読むのを
思いとどまらせる効果しか
私にはなかった。

フィッツジェラルド研究でも
しているならまだしも、

(ていうか、そういう人なら原書読むよね)

そんなことに無縁の私が
この苦痛をおして読む必要はない。

・・・という顛末。


危うく『ギャッツビー』も読まなくていい、
と判断するところでした。

もっと私が読者として成長した暁には
謹んで再挑戦させていただきます。。。




写真を撮り忘れた1冊
『グレート・ギャッツビー』
スコット・フィッツジェラルド 著
村上 春樹 訳

同じ作者かと思う。

上の『楽園のこちら側』
とモチーフは同じ。

なのにまったく違う仕上がり。
読んでよかった。



この作品の主題をなんと捉えるか。

いろいろ挙がるでしょうが
私は・・・

不毛

これを選びたいと思います。

「 ”人生の不毛” とは何か説明しなさい」

というお題があったとして
最高の回答がこの作品ではないか

と思うくらい
最終シーンが効いている。



エンディングに近づくころ、

この物語の語り手であるニックが
生まれ故郷に戻るシーンがあります。

こういうの、
ちょっと見ると蛇足に感じます。

だけど・・・
最後まで読むと突き落とされる。

「切ない」ではぬるすぎる、
「軽蔑」ではもの足りない、

「絶望」とか、「不毛」とか
そんな言葉が浮かんでくる。



このシーンがなかったら
主題が表現しきれなかった。

このシーンに意味をもたせるために
前のページ9割が存在していた。

そんなふうに感じるエンディングでした。
あぁ、なんという!




1月の読書記録で漏れてしまった1冊
『鐘は歌う』
アンナ・スメイル 著
山田 順子 訳

これ、おもしろかった!

おもしろかったのに
1月にカウントするのを忘れてしまった。

写真を撮るのを忘れると
そのままになっちゃうのね・・・。

その点、これはおもしろくて
記憶に残っていたから思い出せた。

いやはやうっかりでした。。。



好みが分かれると思いますが
私はこれ、好きですね~。

SFって言っていいのかな。

ストーリーがかなり進まないと
状況が理解しきれない。

でも、この理解できそうでできない感じが
この物語になんともいえない ”雰囲気” を
与えているように思います。

読者も主人公と同じ水準で
自分の置かれた状況を理解できないまま

全体に漂う不穏な雰囲気を
読み解いていかなければならない。

しかるべきタイミングがくるまで
雲をつかむような分かりづらさで
ゲームをすすめなければならない。

 

そういうもどかしさがあります。



だけど。

 

思えば小説もゲームも人生も
あらかじめなんでもは説明されていない。

自分で体感しながら
「これ」というものを掴んでいく。

 

そういうものでしょう??

そういう点でこういう分かりづらさ、
私は好きだな。



注文の多い料理店なワタクシとしては

中盤までが面白かっただけに


最後の ”謎解き” 部分は
もうちょっと書いてほしかったけど・・・

編集の兼ね合いで
まとめるよう要請されたのか

言葉を尽くして書くことに
エネルギー切れしてしまったのか・・・

書き切る前にまるめたかのような
印象を受けました。

でも、他の作品があるなら読んでみたい。

この著者さんは何か
大切なものを知っている人なんじゃないか
そんな期待をさせる作品でした。

 



というわけで、
2月は2冊、1月分の1冊を追加で
計3冊ですね。

3月は・・・

この1月・2月の流れでいくと
次は「あれかな?」と予測がつく人も
いらっしゃるかもしれません。

はい、その通り、
あの1冊を読みましたよ(笑)。

いやぁ、あれもある意味衝撃でしたね?

ふふふ。

なんでしょうね~。

 



本との出合いは芋づる式。

いい出合いはいい出合いを連れてきますね。


みなさんもいい出合いをしているかな。
お気に入りの一冊に出合えますように。

 

 

 

カミヤカオリ

 

 

 

 

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