2009年7月~9月放送。
高度経済成長期の実在の通産官僚をモデルにした城山三郎の小説をドラマ化した作品。
かなり重厚な作りで、出演陣も豪華です。
ミスター通産省の異名を持つ佐橋滋をモデルにした風越信吾役に佐藤浩市さん。
池田勇人をモデルにした池内信人役に北大路欣也さん。
佐藤栄作をモデルにした須藤恵作役に長塚京三さん。
新聞記者役に佐野史郎さん。
他、官僚たちに、堺雅人さん、高橋克実さん、西村雅彦さん、杉本哲太さん、吹石一恵さん、田中圭くん、高橋克典さん、船越英一郎さん。
リアルタイムで観ていた時、印象に残ったシーンがありました。
通産省の採用面接で、「山本真」という優秀が人物がいるのだが、少々問題がある、というシーンです。
実は、山本真役は吹石さん、つまり女性で、その時まで、通産省にはキャリア官僚がいなかったのです。
そういう時代だったんだな、と思ったのを覚えています。
そして、今回、そのシーンを観て、「おおっ!」っと思いました。
そのセリフを言っていたのが、圭くん演じる御影大樹だったんですね
登場人物は、役職と役名が字幕で出るのですが、御影は毎回役職が変わるので、毎回出てきます。
そして、第1話では控え目でまったく目立たなかった御影が、出世とともにどんどん存在感を増していきます。
「日本を良くしたい」という思いは同じでも、国の舵取りには正解があるわけではなく、歴史を経なければ功罪が分からないのだな、とつくづく思いました。
立場の違いもあります。
最終話の御影のセリフは、それを鮮明にします。
そして、それは今日まで続いている問題でもあります。
また、最終話の岡屋文平(桂ざこば)のセリフには、重みがあります。
「行政を頼ってた自分がアホやった。やっぱり、自分の道は自分で開かなね」
制作統括は貴島誠一郎さん。
そう、あの『おっさんずラブ』のプロデューサー貴島彩理さんのお父様です。
平成21年度(第64回)文化庁芸術祭優秀賞(テレビ部門・ドラマの部)を受賞しています。
★★★★★ 今日では珍しい、大変良質な社会派ドラマです。
官僚たちの夏 [DVD]
14,063円
Amazon |
十一月十一日は圭の日