隣人X/疑惑の彼女 | p・rhyth・m~映画を語る~

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監督:熊澤尚人
キャスト:上野樹里/林遣都/ファン・ペイチャ
配給:ハピネットファントム・スタジオ
公開:2023年12月
時間:120分




今夜紹介するのは,第14回小説現代長編新人賞を受賞したフランス在住の小説家パリュスあや子のデビュー作を,『ユリゴコロ』の熊澤尚人監督が上野樹里を主演に迎え映画化したミステリー・ロマンス『隣人X/疑惑の彼女』。

惑星Xで紛争が勃発。Xは人間の姿に擬態する能力や人間を決して傷つけない固有性を持つため,アメリカ政府は助けを求めてきた難民を惑星難民Xとして受け入れることに。そして日本もアメリカに追従するように受け入れを決定するが,誰もが日常に紛れ込んだ謎の存在Xに不安を感じ,隣りにいるかもしれないXを見つけ出そうと躍起になっていた。

“週刊東都”の編集長・小池(嶋田久作)は記者たちに,調査会社から持ち込まれた情報を元にXであると疑わしい者に近づき,日本にいるXの正体を掴むよう指示。契約解除の瀬戸際にある記者の笹(林遣都)は,大手企業をわずか数年で退職しコンビニと宝くじ売り場でバイトをしている柏木良子(上野樹里)と,居酒屋とコンビニで働きながら日本語学校に通う台湾からの留学生レンことリン・イレン(ファン・ペイチャ)を追うことになるのだったが…。

SF色は強くなく,ミステリー味で進んでいくストーリー。やがてそれが,社会派へと味変されていく。フランスで大きな問題となっている移民政策と,偏見や風評といった社会問題を巧みに暗喩させる作りが素晴らしい。「アイデンティティって何だろう?」と考えさせられる1本だ。

共演は他に,野村周平,酒向芳,バカリズム など。見終わったらきっと,自分の手首を確認してしまうはず。


映画クタ評:★★★★


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