ドラゴンボール/摩訶不思議大冒険 | p・rhyth・m~映画を語る~

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監督:竹之内和久
キャスト:野沢雅子/鶴ひろみ/田中真弓
配給:東映
公開:1988年7月
時間:46分




1990年代の半ばにかけて,最盛期を迎えた戦後の紙出版の漫画。1980年代にその潮流を作り上げた『週刊少年ジャンプ』を中心となって支え,牽引していたのが鳥山明。彼の作品中でも『DRAGON BALL』はアニメ,キャラクターグッズなど様々な商品に展開され,日本の漫画の特徴である“メディアミックス”で大きな収益を上げた典型的な作品だった。海外にも広がり,世界的に日本の漫画が一定の支持を得るようになった大きな力にもなったと思う。

そんな鳥山明の突然の訃報。多感な時期に『Dr.スランプ』『DRAGON BALL』に触れてきた世代の端くれとしては,ショックというより信じ難いニュースだった。今夜は急遽予定を変更し,感謝と追悼を込めて彼の作品から『ドラゴンボール/摩訶不思議大冒険』を紹介。劇場版第3弾となる36年前の作品で,『東映まんがまつり』のプログラムの1本として上映されたもの。同時上映作は『ビックリマン/無縁ゾーンの秘法』『闘将!! 拉麵男』『仮面ライダーBLACK/恐怖! 悪魔峠の怪人館』。

ミーファン帝国の幼い皇帝・餃子(チャオズ)(江森浩子)の花嫁ランランが行方不明となる。大臣の鶴仙人(永井一郎)はランラン捜索の名目で自身の野望のためにドラゴンボールを集め神龍を利用しようと画策。各地に派兵し,ドラゴンボールの捜索に現地の住人まで駆り出し,強制労働や虐殺などを繰り返していた。

一方,武道家を目指して亀仙人(宮内幸平)のもとで修行する孫悟空(野沢雅子)とクリリン(田中真弓)は,日頃の修行の成果を試そうと武術大会の開催されるミーファン帝国へやって来る。そこには鶴仙人に苦しめられている人々を救うため,武術大会に参加して皇帝への直訴を試みるボラ(銀河万丈)と,鶴仙人が狙う最後のドラゴンボールを持つウパ(堀江美都子)の父子も訪れていたのだったが…。

原作のキャラクター設定やストーリーを大胆にアレンジしたオリジナル・ストーリー。初期の『ドラゴンボール』メンバーによる全く別の話が楽しめる。さらにさらに,鳥山明のもうひとつのヒット作『Dr.スランプ』からアラレちゃん&ガッちゃんもゲスト出演するという豪華さ。

子ども向けに作られた4本立ての1本なので46分と短めだが,際立ったキャラたちへの懐かしさと愛と勇気と笑いに溢れる物語で,鳥山ワールドを一気に懐古できる。

鳥山先生に,心からの「ありがとう」と「お疲れ様」を伝えたい。


映画クタ評:★★★★


◆シリーズ一覧◆

ドラゴンボールZ/神と神』(2013年)

ドラゴンボールZ/復活の「F」』(2015年)

ドラゴンボール超/ブロリー』(2018年)

ドラゴンボール超/スーパーヒーロー』(2022年)