決戦は日曜日 | p・rhyth・m~映画を語る~

p・rhyth・m~映画を語る~

メインブログ【くた★むび】



監督:坂下雄一郎
キャスト:窪田正孝/宮沢りえ/赤楚衛二
配給:クロックワークス
公開:2022年1月
時間:105分




今夜は選挙のお話。たとえばアメリカでは慣例的に火曜日,イギリスは木曜日が投票日にされることが多いが,日本をはじめ,多くの国では『決戦は日曜日』。選挙を題材にした邦画コメディと言えば『国会へ行こう!』(1993年・東宝)位しか思い出せないほど珍しい気がして公開当初から個人的に注目していた作品だ。監督・脚本は『ピンカートンに会いにいく』(2018年・松竹)の坂下雄一郎。

とある地方都市。谷村勉(窪田正孝)は,この地の選挙区に強い地盤を持ち当選を続ける75歳の衆議院議員・川島昌平(小林勝也)の事務所で私設秘書として働いている。30歳となり,秘書として経験も積み中堅となり,仕事に熱い想いはないが暮らしていくには満足な仕事だと思っていた。だがある日,川島が病に倒れ,そんなタイミングで衆議院が解散。

川島の地盤を引き継ぎ,次の選挙の出馬候補として白羽の矢が立ったのは,川島の娘・有美(宮沢りえ)。ところが,お嬢様の有美は政治に素人なだけでなく,予想以上の世間知らず。なのに謎の熱意だけはある。そんな有美の自由奔放な言動に振り回されていくことになる谷村たち。しかし,父・川島の地盤は盤石。よほどのことがない限り当選は確実なはずだったのだが…。

有美をフォローしまくる秘書の谷村が最高に素晴らしい。政治や選挙に関してはデフォルメされた部分もリアルなものもブッ込みで笑わせてくれるし,後半の展開も面白い。なのにイマイチ奮わなかったのは,やはりこの国の投票率に比例しているのか? それともオチが弱かったのか?

政治家が当選するのに必要とされる3つの条件として「地盤,看板(肩書・地位),カバン(金銭)」という言葉があるが,これに「有能な秘書」を加えたくなる,そんな1本だ。


映画クタ評:★★★★


右矢印音尾琢真作品まとめ

右矢印窪田正孝作品まとめ

右矢印宮沢りえ作品まとめ