ミステリと言う勿れ | p・rhyth・m~映画を語る~

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監督:松山博昭
キャスト:菅田将暉/松下洸平/町田啓太
配給:東宝
公開:2023年9月
時間:128分




累計発行部数1800万部を突破した田村由美の大人気漫画を原作とし,昨年冬の“月9”枠で放送されたTVドラマ『ミステリと言う勿れ』。天然パーマがトレードマークで,友達も彼女もいない,カレーをこよなく愛する大学生の主人公・久能整(くのうととのう)の,時に優しく,時に鋭い魔法のような気づきと言葉が,いつの間にか登場人物たちの抱える様々な悩みや,事件の謎までも解いてしまうという新感覚ミステリー。見直し配信では,放送当時民放歴代No.1の記録を樹立した。

そんな整くんが,劇場版となって戻って来た。描かれるのは,原作ファンの間でも人気の高いエピソードである通称“広島編”。広島を舞台に,ある一族の遺産相続争いに巻き込まれた久能整が,一族の闇の歴史に秘められた謎を解き明かしていく。TVシリーズに引き続き監督は松山博昭,主題歌はKing Gnu『硝子窓』。

広島の美術展を訪れていた整(菅田将暉)は,犬堂我路(永山瑛太)の知り合いだという女子高生・狩集汐路(原菜乃華)と出会う。「バイトしませんか。お金と命がかかっている。マジです」そう言って汐路は,半ば強引に整を狩集家の莫大な遺産相続に関する遺言書公開の場へ列席させる。相続の対象者は1年前に亡くなった当主の孫にあたる汐路,臨床検査技師の狩集理紀之助(町田啓太),サラリーマンの波々壁新音(萩原利久),幸という一人娘を持つ主婦・赤峰ゆら(柴咲コウ)の4人。

彼らは狩集家の顧問弁護士・車坂義家(段田安則)の孫・朝晴(松下洸平)と共に,遺言書に書かれた「それぞれの蔵においてあるべきものをあるべき所へ過不足なくせよ」というお題に従い,遺産を手にしようと謎を解いていく。だが先祖代々続くこの遺産相続は毎回死者が出ており,汐路の父・弥(滝藤賢一)も8年前に他の候補者たちと自動車事故で死亡していたのだった。次第に紐解かれる遺産相続に隠された真実。そこには世代を超えて受け継がれる一族の“闇と秘密”があるのだったが…。

薦められて見始めたドラマにハマり,原作にも触れ,さらに劇場版公開前にはドラマ全話とSPで復習して「期待値上げすぎたかな?」と不安になりつつ公開初日に鑑賞したが,うん,やっぱ最高!

原作を踏襲した展開とオチ,「僕は常々思うんですが…」に始まる整くんの膨大な知識と,独自の価値観に基づく持論。でも,実写で観るからこそな臨場感と,心掻き鳴らす言葉に,改めて原作の完成度と実写での役者たちの上手さを思い知らされる。

TVドラマ2ndクールを感じさせるレギュラーキャラたちのサービスシーンもあるし,何より原作も進行中だし,整くんとのさらなる再会が,今から待ち遠しい。


映画クタ評:★★★★★


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