嘘八百/なにわ夢の陣 | p・rhyth・m~映画を語る~

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監督:武正晴
キャスト:中井貴一/佐々木蔵之介/安田章大
配給:ギャガ
公開:2023年1月
時間:112分




今夜紹介するのは,中井貴一と佐々木蔵之介が詐欺師まがいの古美術商&うだつの上がらない陶芸家の骨董コンビを演じる痛快骨董エンタテインメントの第3弾『嘘八百/なにわ夢の陣』。1作目で堺の千利休,2作目『京町ロワイヤル』で利休の弟子として共に茶の湯を大成した古田織部ときたら,やっぱ次は,信長を引き継ぎ,茶の湯に政治的権威を与えた秀吉でしょ! フッと,2020年のNHK大河ドラマ『麒麟がくる』で秀吉を演じていた佐々木蔵之介も思い出した。

武正晴監督も脚本の足立紳&今井雅子も,シリーズ3作連続。友近,森川葵,塚地武雅らレギュラーキャストに加え,7年ぶりの映画出演となる関ジャニ∞の安田章大も参加。主題歌には桐谷健太の『夢のまた夢』と,心躍らせる要素が溢れていたのに劇場鑑賞のスケジュールが合わず見逃し,ようやく見ることができた。

目利きのはずが一攫千金を狙っては失敗続きの冴えない古美術商・小池則夫(中井貴一)。ある日,そんな彼のもとに“大坂秀吉博”の実行委員会から思いもよらぬ大きな仕事が舞い込む。しかし秀吉博の目玉は,太閤秀吉の縁起モノ“秀吉七品”の中で唯一所在不明の幻の茶碗“鳳凰”。そこで則夫が頼ったのは,腕は確かなのにくすぶり続ける陶芸家の野田佐輔(佐々木蔵之介)。

ところが,そんな2人の前にTAIKOH(安田章大)と名乗る謎のカリスマ波動アーティストとその財団を仕切る怪しげな美女・山根寧々(中村ゆり)が現れる。寧々もまた“TAIKOH秀吉博”というイベントを計画し,そこで“鳳凰”を披露しようと,佐輔に接近してくる。歴史・骨董・アートのロマンと強欲が激突。大阪城を背景に繰り広げられる天下の騙し合いに,骨董コンビ分裂の危機まで勃発するのだったが…。

もうのっけから“秀吉七品”とか言われたら,歴史好きにはたまらなくて食いついてしまう。懐で温めた信長の草履,戦で顔につけた面頬(めんぼお),獅子の飾りをつけた兜,桐の文様の軍配団扇,有馬温泉の湯殿の瓦,黄金の風炉,そして“鳳凰”の銘がついた茶碗と,本当っぼい七品の設定も『嘘八百』ならでは。そして,「夢」と「儚」に掛けたオチまで,真偽うんぬんよりコンビのセリフのかけ合いのテンポや,粋な大人の魅力に浸れる2時間。

タイミング的に興行はイマイチだったようだが,個人的には続編を待ちたいシリーズだ。


映画クタ評:★★★★


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◆シリーズ一覧◆

嘘八百』(2018年)

嘘八百/京町ロワイヤル』(2020年)