嘘八百/京町ロワイヤル | p・rhyth・m~映画を語る~

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監督:武正晴
キャスト:中井貴一/佐々木蔵之介/広末涼子
配給:ギャガ
公開:2020年1月
時間:106分




昨夜紹介した前作から2年ぶりとなる続編。今回は古田織部の幻の茶器を巡って,再び騙し騙されのコンゲームが展開していく。

古田織部とは,千利休の弟子として共に茶の湯を大成し,茶器・会席具製作・建築・作庭などにわたって“織部好み”と呼ばれる一大流行を安土桃山時代から江戸時代前期にもたらした茶人であり大名。利休亡き後は豊臣秀吉の茶堂,徳川家康・秀忠の茶の湯指南役,江戸幕府の御茶吟味役を務めた。

武正晴監督も脚本の足立紳&今井雅子も,前作から引き続き。前作でも舞台となった大阪・堺に加え,数知れぬお宝が眠る古都・京都も股に掛けた抱腹絶倒の骨董コメディ第2弾だ。

かつて腕利きの陶芸家・野田佐輔(佐々木蔵之介)と組んで贋物仕事で大勝負に挑んだ小池則夫(中井貴一)は,堺を離れ京都で,人気占い師の娘・いまり(森川葵)に軒を借りて,小さな古美術店を営んでいた。ところが,TV番組の取材でやって来た有名古美術店の主人・嵐山直矢(加藤雅也)と大御所鑑定家の億野万蔵(竜雷太)に,佐輔との過去を暴かれ大恥をかかされる。

そんな則夫の店に,父の形見を騙し取られたと,謎の京美人・橘志野(広末涼子)が相談に訪れる。それは何と,利休の茶の湯を継承し,天下一と称された武将茶人・古田織部の幻の茶器“はたかけ”だった。正義感と下心に突き動かされた則夫は,さっそく佐輔に話を持ち掛け,一世一代の贋作作戦に乗り出すのだったが…。

人気漫画のタイトルにもなっている『へうげもの』(=ひょうきん者)と呼ばれた古田織部の茶器の魅力は“歪み”と“疵”。どこを撮っても絵になる古都・京都を舞台に,歪みまくって疵だらけで,けれどどこか憎めないキャラたちが集結し,いい味わいを見せてくれる。クライマックスは国の名勝・渉成園で催される華やかな大茶会。幻の茶器のお披露目を,TVで生放送するという大仕掛け,そして大逆転。じっくりと堪能してほしい。


映画クタ評:★★★★


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◆シリーズ一覧◆

嘘八百』(2018年)

嘘八百/なにわ夢の陣』(2023年)