ハウ | p・rhyth・m~映画を語る~

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英題:haw
監督:犬童一心
キャスト:田中圭/池田エライザ/野間口徹
配給:東映
公開:2022年8月
時間:118分




犬を主人公にした作品としてこのコーナーでも『ペット』シリーズ,『キャッツ&ドッグス』シリーズ,『僕のワンダフル・ライフ』シリーズと紹介しているが,フッと気づけば洋画ばっかり。というわけで,邦画のワンちゃんモノから今夜は『ハウ』を取り上げてみた。原作は人気脚本家の斉藤ひろしによる小説。監督は『のぼうの城』『引っ越し大名!』の犬童一心。

婚約者にフラれ,悲しみから立ち直れずにいる市役所職員の青年・赤西民夫(田中圭)。横浜で買ったばかりの40年ローンの1軒家にひとり暮らしとなった彼は,課長の鍋島(野間口徹)に勧められ,飼い主に捨てられ保護犬になった真っ白な大型犬を飼うことに。ワンと鳴けず「ハウッ」とかすれた声しか出せないその犬を“ハウ”と名付け,1人と1匹の優しくて温かい日々が始まった。最初は戸惑うことも多かったハウとの暮らしだったが,何をするにもいつも一緒な“ふたり”の絆は次第に深まり,ハウはいつしか民夫にとってかけがえのない存在となっていく。

ところがある日,突然ハウが姿を消す。あらゆる手段を尽くしてハウを探す民夫。何とハウは不幸なアクシデントで遠く離れた青森までトラックで運ばれていたのだ。民夫と再会したい一心で知らない道をひた走り,798kmの横浜への道中で,様々な事情を抱えた人々との出会いを重ねていくハウ。一方,ハウが姿を消してしまったことで深い悲しみに暮れながらも,同僚の足立桃子(池田エライザ)に優しく支えられ,懸命に前を向こうとする民夫だったが…。

穏やかで温かい石田ゆり子のナレーションがハウの気持ちを代弁しながら進むロードムービーだが,単に“忠犬”的なストーリーでなく,福島→前橋→群馬→横浜と,大人向けに編まれた4つの物語に絡んでいくことになる。社会問題とも言えるこれらのハウの出会いが,残された側の民夫の心情と交錯して,見る者にリアリティと切なさや痛みを投げかけながら,季節を進めていくからたまらない。

共演は他に,長澤樹,宮本信子,モトーラ世理奈 など。とにかくハウが賢くて可愛い♪


映画クタ評:★★★★


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