余命10年 | p・rhyth・m~映画を語る~

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英題:The last 10 years
監督:藤井道人
キャスト:小松菜奈/坂口健太郎/山田裕貴
配給:ワーナー・ブラザース映画
公開:2022年3月
時間:124分




今夜紹介するのは,自身もヒロインと同じ肺動脈性肺高血圧症を患い,2017年に38歳という若さで逝去した小坂流加のベストセラー小説を原作とするラブストーリー『余命10年』。原作の発行部数累計は80万部。2017年には静岡書店大賞による“映像化したい文庫部門”大賞を受賞している。監督は『新聞記者』『ヤクザと家族 The Family』(2021年・スターサンズ)の藤井道人。

2011年の春。茉莉(まつり)(小松菜奈)は病院で,闘病仲間の礼子(安藤聖)のビデオカメラで撮影された映像を一緒に見ている。子供の入学式に間に合ったと言った礼子は,「最後まで生きてね」と言ってビデオカメラを茉莉に託した。茉莉は20歳の時に数万人に1人という不治の病“肺動脈性肺高血圧症”で主治医の平田先生(田中哲司)から「余命10年」と告げられていたのだ。

その2年後,病状の安定した茉莉は退院する。これからの生活をビデオに収めることにした彼女は,父・明久(松重豊),母・百合子(原日出子),姉・桔梗(黒木華)と共に家に帰ってきた。避けられない死を静かに受け入れるため,もう恋はしないと誓っていた茉莉。ところがある日,同窓会で再会したかつての同級生・和人(坂口健太郎)に思いがけず心惹かれていく。やがて,会うべきではないと思いながらも,和人との距離が縮まっていくことに喜びを感じていく茉莉だったが…。

『余命10年』というストレートなタイトルが,圧倒的なリアリティで物語全体を包んでいる。“余命モノ”としてはおそらく,これ以上はない覚悟と切なさが,1シーンごとに見る者に響いてくる。綴られる季節と,様々な世代の俳優たちの名演が,“ベタ”でない映像へと昇華させていく。原作とは大きく異なる和人の成長する姿が,残された者の想いを共感しやすい形で映す秀作だ。

共演は他に,山田裕貴,奈緒,リリー・フランキー など。


映画クタ評:★★★★


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