監督:リー・ワネル
キャスト:エリザベス・モス/オリヴァー・ジャクソン=コーエン/オルディス・ホッジ
配給:ユニバーサル・ピクチャーズ/東宝東和
公開:2020年7月
時間:124分
『透明人間』というタイトルで浮かんだのは,ピンク・レディーと東京事変。で,林檎班なので当然に東京事変の『透明人間』を口ずさみながら見始めたら,世界観の違いに息を飲んでしまったのが,今夜紹介する『透明人間』。脚本&監督が『ソウ』シリーズの脚本や『アップグレード』のリー・ワネルだってことをすっかり忘れていた。
原作は『宇宙戦争』の作者でもあるH・G・ウェルズが1897年に発表したSF小説。1933年に公開された映画『透明人間』(ユニバーサル)を現代風にリブートしたサイコ・スリラー作品だ。
富豪で天才科学者の恋人エイドリアン(オリヴァー・ジャクソン=コーエン)の度を越した束縛に恐怖を抱き苦悩を深めるセシリア(エリザベス・モス)。ある夜ついに,妹のエミリー(ハリエット・ダイアー)の協力で彼の豪邸からの脱出に成功し,エミリーの恋人で警官のジェームズ(オルディス・ホッジ)の家に身を隠す。やがて,失意のエイドリアンが手首を切って自殺し,500万ドルの遺産がセシリアに残されたとの知らせを受ける。
エイドリアンの兄で弁護士のトム(マイケル・ドーマン)を疑いながらも,ようやく落ち着いたのも束の間,セシリアの周りで不可解な現象が起こり始める。エイドリアンが何らかの方法で透明人間になり,自分に復讐しようとしていると確信するセシリア。だが,周囲の理解は得られず孤立し,徐々に精神的に追い込まれていくのだったが…。
セシリアが豪邸を脱出する前のエイドリアンのDVっぷりが描かれないが,知らないうちに透明人間が自分のすぐ横まで迫ってくるホラー全開な前半。次第にその透明人間が暴かれ,SFサスペンスへとシフトしていく後半。どちらも見る者の心拍数を上げてみせるリー・ワネル監督の演出と映像が見事な1本だ。
『アップグレード』でも同じことを書いたが,個人的にはキャストと映像にあと一歩の派手さがほしかったと思う。
クタ評:★★★★☆
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『透明人間』
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