カイジ/ファイナルゲーム | p・rhyth・m~映画を語る~

p・rhyth・m~映画を語る~

メインブログ【くた★むび】



監督:佐藤東弥
キャスト:藤原竜也/福士蒼汰/関水渚
配給:東宝
公開:2020年1月
時間:128分




今夜紹介するのは,福本伸行の同名人気コミックスを藤原竜也の主演で実写映画化した『カイジ』シリーズの第3弾にしてタイトル通り最終回となるギャンブル・サスペンス・ムービー。今回も原作者の福本伸行が自ら脚本に携わり,原作にはないオリジナルゲームが登場する中,一発逆転を狙う主人公カイジを待ち受ける予測不能の運命がスリリングに描き出される。監督は前2作に引き続き佐藤東弥。

2020年,国中が熱狂した東京オリンピックの終了を機に,景気が凄まじい勢いで失速していった日本。今やこの国で生き残るのは金を持つ強者のみ。金のない弱者は簡単に踏み潰され,身を寄せ合い過酷な日々を送っていた。自堕落な生活を送る伊藤カイジ(藤原竜也)もまた,派遣会社からクズ扱いされ,薄い給料袋に憤りを感じつつ,1缶1000円まで値上がりしたビールを買うかどうか迷うような,その日暮らしを続けていた。

ある日,そんなカイジに声を掛けてきたのは,帝愛グループ企業のひとつを任される社長にまで出世したという大槻太郎(松尾スズキ)。彼がカイジに見せた1枚のチラシには“第5回若者救済イベント開催! バベルの塔”の文字が。それは金を持て余した大金持ちの老人が主催するイベントで,棒のテッペンに貼られたカードを奪い合うという単純なゲーム。勝者には巨額の賞金が約束されていた。運否天賦のゲームでは作戦の立てようがないと断るカイジを,大槻はカラクリがわかっていれば勝てると,自分と組むことを誘う。こうして再び,天国と地獄が背中合わせの,究極のギャンブルの世界へと足を踏み入れてしまうカイジだったが…。

公開時にはオリンピックの延期は決まっていなかったので,予定通りオリンピック開催後に混乱し混沌とした日本の設定だが,描かれる先行きの見えない社会は,コロナ渦の現状を映しているかもしれない。そんな社会の中で,善くも悪くも『人生奪回ゲーム』から9年の歳月を感じさせない藤原竜也は見事に“カイジ”だし,『コンフィデンスマンJP/プリンセス編』ではコックリを演じた関水渚の,女優としての器用さも目を引く。

共演に,福士蒼汰,新田真剣佑,吉田鋼太郎。さらに,シリーズキャストとして松尾スズキ,天海祐希,生瀬勝久 といったポイントになるキャラの出演も,ファンを喜ばせる。

が,ストーリーとゲームが「カイジじゃないやん!」と言葉に溢れてしまうのが残念。悪くはないのだが,前2作を知れば知るほど,モノ足りなさが消化不良を引き起こす。

一応,シリーズ完結のお祝いにと,評価には★1つ足してある。


映画クタ評:★★★★


右矢印佐藤東弥作品まとめ

右矢印生瀬勝久作品まとめ

右矢印福士蒼汰作品まとめ

右矢印藤原竜也作品まとめ

右矢印天海祐希作品まとめ

右矢印伊武雅刀作品まとめ

右矢印松尾スズキ作品まとめ

右矢印吉田鋼太郎作品まとめ

右矢印新田真剣佑作品まとめ

右矢印酒向芳作品まとめ

右矢印山崎育三郎作品まとめ


◆シリーズ一覧◆

カイジ/人生逆転ゲーム』(2009年)

カイジ2/人生奪回ゲーム』(2011年)