蜘蛛の巣を払う女 | p・rhyth・m~映画を語る~

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原題:The Girl in the Spider's Web
監督:フェデ・アルバレス
キャスト:クレア・フォイ/スヴェリル・グドナソン/ラキース・スタンフィールド
配給:ソニー・ピクチャーズ・リリーシング/ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント
公開:2019年1月
時間:117分




スウェーデンの作者スティーグ・ラーソンの死後に発表され,世界中でセンセーションを巻き起こした大ベストセラー『ミレニアム』3部作。出版社は続編3編の執筆をノンフィクション作家のダヴィド・ラーゲルクランツに依頼し,2015年に第4部,2017年に第5部,そして昨年,完結編となる第6部が発表された。

今夜紹介する『蜘蛛の巣を払う女』は,この小説続編の第4部を『ドラゴン・タトゥーの女』の続編として映画化したもの。監督は『死霊のはらわた』(2013年・トライスター)『ドント・ブリーズ』(2016年・スクリーン・ジェムズ)と,ホラー系で名を馳せたウルグアイ出身のフェデ・アルバレス。

冬のストックホルム。背中にドラゴンのタトゥーを持つ天才ハッカー,リスベット・サランデル(クレア・フォイ)が雑誌『ミレニアム』のジャーナリスト,ミカエル(スヴェリル・グドナソン)の前から姿を消して3年が経っていた。ある日,彼女のもとに,人工知能(AI)研究の世界的権威フランス・バルデル博士(スティーヴン・マーチャント)から依頼が舞い込む。それは,彼が開発した世界各国の核兵器発射コードにアクセス可能なプログラム“ファイヤーフォール”を,アメリカのNSA(国家安全保障局)から奪回するというもの。リスベットにとって,決して難しいミッションではないはずだった。

ところが,その裏に隠された恐るべき陰謀を探るうち,奇妙で不気味な謎の組織“スパイダーズ”と,16年前に別れた双子の妹カミラ(シルヴィア・フークス)の存在に行き当たるリスベット。だが,そのことに気付いた時にはすでに,周到に仕組まれたカミラの罠に落ちていた。そうしてリスベットは,自身の忌まわしい記憶と,葬り去ったはずの残酷な過去に向き合うことになるのだったが…。

もしもこれが単独の作品だったとしたら,ソコソコには面白い。が,『ドラゴン・タトゥーの女』の“続編”の言葉なしには集客できなかっただろうし,個人的にも見る機会はなかったかもしれない。

そう,この作品はリメイクでもリブートでもなく,ハリウッドの大手製作・配給による正統な“続編”。まぁ監督の交代はよくある話だとしても,ヒット作の“続編”なのに,製作費は前作の半分以下にされ,キャスト総入れ換えじゃ,見る方も冒頭から戸惑うし,ストーリーに入っていけない。でも“続編”だから,キャラや環境の説明はないし,新ミカエルに馴染めないまま,最後まで終わってしまう。ヒットさせる気があったのか? って疑う要素満載なのだ。

クレア・フォイは頑張ってるし,細かいシーンに監督の個性は光る。けれど,このシリーズの魅力って,ただのアクション映画って部分じゃなかったハズだし,何よりミカエルがモノ足りない! そんなこんなで★3つ。


映画クタ評:★★★☆☆


◆シリーズ一覧◆

ドラゴン・タトゥーの女』(2012年)