ドラゴン・タトゥーの女 | p・rhyth・m~映画を語る~

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原題:The Girl with the Dragon Tattoo
監督:デヴィッド・フィンチャー
キャスト:ダニエル・クレイグ/ルーニー・マーラ/クリストファー・プラマー
配給:コロンビア映画/ソニー・ピクチャーズ
公開:2012年2月
時間:158分




47歳から小説家として本格的な活動を始めたスウェーデンの作家,スティーグ・ラーソン。2年間で書き上げた『ミレニアム』シリーズ3部作の出版を待たずに心臓発作で他界している。彼の死後に出版されたこのミステリー・サスペンス3部作は,世界中で8000万部を売り上げるベストセラーとなった。

そんな『ミレニアム』シリーズの第1部となる『ドラゴン・タトゥーの女』が,今夜紹介する作品の原作。2009年のスウェーデン版に続き再映画化のメガホンをとったのは『ベンジャミン・バトン 数奇な人生』『ソーシャル・ネットワーク』(2010年・コロンビア),近作では『ゴーン・ガール』のデヴィッド・フィンチャー監督。ヒロインに大抜擢されたルーニー・マーラの体当たりな演技も注目された。

エリカ(ロビン・ライト)と共にスウェーデンの社会派雑誌『ミレニアム』を発行するジャーナリストのミカエル・ブルムクヴィスト(ダニエル・クレイグ)は,大物実業家ヴェンネルストレム(ウルフ・フリバーグ)の武器密売をスクープしたものの,名誉毀損で訴えられて敗訴し窮地に陥っていた。そんな時,スウェーデン有数の財閥ヴァンゲルの元会長ヘンリック・ヴァンゲル(クリストファー・プラマー)から家族史編纂の依頼が舞い込む。見返りに裁判を逆転させるような証拠を渡すというのだ。

しかし,家族史編纂というのは表向きで,ヘンリックの真の目的は40年前に起きた親族の娘ハリエット(モア・ガーペンダル)失踪事件の真相究明だった。やがて,調査が暗礁に乗り上げたミカエルは,ヘンリックの弁護士から驚異的な情報収集能力を持つリスベット・サランデル(ルーニー・マーラ)を紹介される。実は,ミカエルにこの仕事を任せるにあたり,彼の身元調査をしたのが彼女だったのだ。小柄で,肩口から背中にかけて異彩を放つ龍の刺青を持つリスベットと協力しながら,事件の謎に迫っていくミカエルだったが…。

デヴィッド・フィンチャー監督らしい3時間に及ぶ大作だが,濃くて,深くて,エロティック。夢中にさせ,全く長く感じさせない。アクセントになるリスベットの過去と未来も,見る者を彼女のファンにしてしまう。複雑に絡む40年前と現在との時間軸の変移表現も巧みだ。

第84回アカデミー賞では編集賞を受賞。昨年,シリーズ続編となる『蜘蛛の巣を払う女』が公開されたが,デヴィッド・フィンチャーは製作総指揮へと退き,ミカエルもリスベットもキャスト総入れ換えとなったせいか興収は1/5以下に落ち込み大赤字だった。


映画クタ評:★★★★


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