引っ越し大名! | p・rhyth・m~映画を語る~

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監督:犬童一心
キャスト:星野源/高橋一生/高畑充希
配給:松竹
公開:2019年8月
時間:120分




1642年(寛永19年)に越前大野藩(現在の福井県)の藩主・松平直基の長男として生まれた松平直矩(なおのり)。父・直基は出羽山形藩,さらに播磨姫路藩に国替え(引っ越し)を命じられるが,姫路への道中で死去。直矩はわずか7歳で家督を相続する。しかし姫路は西国の守りの要であったため幼少の直矩は不適当と判断され,越後村上藩(現在の新潟県)に国替え。さらに成人後,再び姫路に復帰。しかし親族のお家騒動に巻き込まれ,その不手際を咎に領地を半分以下の7万石に減らされ,1682年(天和2年)に豊後日田藩(現在の大分県)に国替えを命じられる。その後,出羽山形藩,さらに陸奥白河藩(現在の福島県)へと,生涯で通算7度も国替えを重ねた結果,藩は多大な借財を負うことになり,直矩は“引っ越し大名”とあだ名をつけられた。

この実話をベースにした土橋章宏原作の時代小説『引っ越し大名三千里』の映画化作品が,今夜紹介する『引っ越し大名!』。脚本も土橋章宏が担当している。監督は『グーグーだって猫である』(2008年・アスミック・エース)のぼうの城』の犬童一心。物語は1682年の豊後日田藩への国替えをメインに描かれる。

姫路藩書庫番の片桐春之介(星野源)は,周囲から“かたつむり”と呼ばれるほど人と話すのが苦手で,いつも書庫に籠って書物ばかり読んでいた。その頃,藩主の松平直矩(及川光博)に幕府から,豊後(大分県)日田への国替え(引っ越し)が言い渡される。国替えは藩士のみでなくならずその家族も含めた藩全体が引っ越しをするという桁外れの費用と労力を要する難事業。しかも度重なる国替えで藩の財政は苦しい上に,減封も決定した。

そんな国の存亡の危機に,何と全体を取り仕切る“引っ越し奉行”の重責を春之介が務めることに。すっかり途方に暮れながらも,幼なじみで武芸の達人・鷹村源右衛門(高橋一生)と,今は亡き前任の“引っ越し奉行”の娘で国替えの手順に精通した於蘭(高畑充希)の力を借りて,懸命にこの不可能とも思える一大プロジェクトに立ち向かっていく春之介だったが…。

この国替え,藩士とその家族1万人が,姫路から大分までの600kmを大移動するというもの。必要経費は2万両(およそ15億円)。立ちはだかる難題に悪戦苦闘しながら,仲間と共に知恵と工夫で乗り越えていく春之介の奮闘と成長が心地よく描かれていく。

ナレーションは立川志らく,劇中の『引っ越し唄』の振付・監修に野村萬斎,主題歌はユニコーンの『でんでん』。松平直矩の男色エピソードもブッ込みながら楽しませてくれる痛快時代劇コメディだ。

共演は他に,松重豊,西村まさ彦,濱田岳,向井理 など。


映画クタ評:★★★★


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