プリンセス トヨトミ | p・rhyth・m~映画を語る~

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英題:PRINCESS TOYOTOMI
監督:鈴木雅之
キャスト:堤真一/綾瀬はるか/岡田将生
配給:東宝
公開:2011年5月
時間:119分




メディアで「大阪都構想」という言葉を見聞きする度に思い出す作品がある。ちょうど橋下徹がまだ大阪府知事だった頃に公開されたこの『プリンセス トヨトミ』。奇抜な設定を壮大なスケールで描くフィクションの中に,東京一極じゃない関西のパワーを感じて嬉しくなるのだ。

原作は『鴨川ホルモー』『鹿男あをによし』の人気作家・万城目学。監督は『HERO』や近作『本能寺ホテル』『マスカレード・ホテル』など多くの娯楽大作を届けてくれる鈴木雅之。

東京から大阪にやって来た3人の男女。国の予算が正しく使われているかを調べる会計検査院の調査官たちだ。超エリートで,税金の無駄遣いを決して見逃さない“鬼の松平”の異名を持つ松平元(堤真一),その部下で,普段は脳天気だか時々驚くべき勘を発揮する“ミラクル鳥居”こと鳥居忠子(綾瀬はるか),そして鳥居とは対照的にクールな日仏ハーフのイケメン新人エリートの旭ゲーンズブール(岡田将生)。調査対象を順調にこなしてきた彼らは,次の調査のため空堀商店街へと向かう。

商店街には,ちょっと変わった少年少女がいた。お好み焼き屋“太閤”を営む真田幸一(中井貴一)と竹子(和久井映見)夫婦の一人息子・真田大輔(森永悠希)は,女の子になりたいという悩みを抱えていた。その幼馴染・橋場茶子(沢木ルカ)は,大輔とは対照的に男勝りで,いつも大輔を守っていた。そんな商店街の奥にある財団法人“OJO(大阪城跡整備機構)”を訪れた調査員一行。不信な点を感じ徹底的な調査を重ねるが,経理担当の長曽我部(笹野高史)にのらりくらりとかわされ,調査は終了するかに思われたのだったが…。

荒唐無稽なストーリーに説得力を持たせてしまう中井貴一の上手さ。大阪国に絡めて,父と息子の絆という普遍的テーマの中で,父から息子へと伝えるものの貴さまで見せてくれるから,ただの面白いを超えた物語となる。

さて,現実の方の「大阪都」は,どんな行方を辿ることになるのだろうか。


映画クタ評:★★★★


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