東京喰種/トーキョーグール | p・rhyth・m~映画を語る~

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英題:Tokyo Ghoul
監督:萩原健太郎
キャスト:窪田正孝/清水富美加/鈴木伸之
配給:松竹
公開:2017年7月
時間:119分




今夜紹介するのは,アニメ化もされた石田スイ原作の人気コミックスの実写版。今や国民的ヒーローの羽生結弦がファンだということが伝わり,石田スイの公式ツイッターには,彼の描いた羽生選手のイラストも公開された。

監督は,これが長編デビューとなる萩原健太郎。ロサンゼルスのアート・センター・カレッジ・オブ・デザイン映画学部を卒業後に帰国し,ソフトバンク,TOYOTA,コカコーラといった大企業のCMをはじめ,MVやショートフィルムの演出を多数手がけている。

人の姿をして人間社会に潜み,時に人を“食糧”として狩る怪人“喰種(グール)”は,遥か昔にその存在が認められて以来,見えない恐怖の対象となった。国家は喰種対策局(CCG)を組織し,多くの喰種が駆逐されたが,喰種は滅びることなく,東京の闇に紛れた。

ある日,ごく普通のさえない大学生のカネキ(窪田正孝)は喰種のリゼ(蒼井優)に襲われ瀕死の重傷を負うが,直後に命を落としたリゼの臓器を移植され,一命を取り留める。しかし,それによって半喰種となってしまった彼は,人肉以外を受け付けない身体になってしまう。

自分が喰種化したことで苦悩するカネキは,以前から通い詰めていた喫茶店“あんていく”で働き始める。“あんていく”は喰種が集まる店で,そこで出会った店長の芳村(村井國夫)や,アルバイトの女子高生・トーカ(清水富美加)も喰種だった。トーカはぶっきらぼうな態度を取りつつもカネキを助ける存在となっていき,カネキは喰種たちのことを深く知るにつれ,大切な仲間や友人とどう向き合うかと葛藤する。そんな中,喰種を駆逐しようとする人間側の組織CCG(Commission of Counter Ghoul)の捜査官・亜門(鈴木伸之)と真戸(大泉洋)が現れ,人間と喰種の戦いが激化していくのだった…。

この物語に無くてはならないのが,捕食や戦闘の際に喰種の身体から発生する赫子(かぐね)。VFXで見事に表現される赫子は,美しさとグロさを併せ持ち,喰種を象徴すると同時に,クインケとしてCCGの対喰種用武器となっている皮肉。“似て非なる”人と喰種のそれぞれに守るべき家族や大切な友人がいて,愛する気持ちや哀しみや憎しみといった感情が,半喰種のカネキを通して見事に描かれてゆく。現実での人種問題まで包含するような世界観を,東京という大都会に詰め込んで,奥深さのあるサスペンス・アクションに仕上げられている。

『仮面ライダーフォーゼ』の頃から明るいキャラで目を引いていた清水富美加が,俗世を離れてしまったのは残念。共演は他に相田翔子,坂東巳之助,佐々木希,ダンカンなど。


映画クタ評:★★★★


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