ちはやふる -結び- | p・rhyth・m~映画を語る~

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監督:小泉徳宏
キャスト:広瀬すず/野村周平/新田真剣佑
配給:東宝
公開:2018年3月
時間:128分




-上の句-/-下の句-』から2年。千早がスクリーンに戻ってきた。続編にしてシリーズ完結編。その惜別感か,卒業という懐かしい香りか,成長したキャラたちを喜ぶ親心か,展開の巧みさに見事にノセられて,中盤からウルウルが止まらなかった。

綾瀬千早(広瀬すず)と若宮詩暢(松岡茉優)が全国大会で壮絶な戦いを繰り広げてから2年。千早,太一(野村周平),新(新田真剣佑)は名人・クイーン戦の会場にいた。クイーンの詩暢と戦うことが出来ない自分に悔しがる千早。一方,千早たちの師匠・原田秀雄(國村隼)は,史上最強の名人・周防久志(賀来賢人)と対戦していた。しかし,原田は周防に手も足も出ず敗れる。その場で「名人を倒すのは俺や!」と,周防に挑戦状を叩き付ける新。そんな新をキラキラした目で見つめる千早。2人の姿に茫然とするだけの太一。

そして,3年生になった千早たちは,高校生活最後の全国大会に向けて瑞沢高校競技かるた部を始動させる。だが,恋愛体質の菫(優希美青)や慇懃無礼な筑波(佐野勇斗)という個性的な新入生に四苦八苦させられることに。その頃,新は全国大会で千早たちと戦うため,かるた部創部に奔走していた。新が通う藤岡東高校には,準クイーンの我妻伊織(清原果耶)もいたのだ。やがて,予選を前に太一のある決断が千早と瑞沢かるた部を激しく動揺させることになるのだった…。

とにかく『-上の句-/-下の句-』の復習はマスト。3作品どっぷりと浸って,まさに“青春映画の金字塔”と言えるシリーズを楽しんでほしい。“競技かるた”という決してメジャーではない世界だからこそ,少年少女からオッサンやオバサンまでの心を掴み,それぞれの年代に様々な色の“キラキラ”を見せてくれる。キャラと同時に成長した俳優たちの姿も頼もしい。新田真剣佑は,この作品の役名である“新(あらた)”から,芸名に名字を付けたという。監督は引き続き小泉徳宏。

シメに,今作のストーリーを深める2首を紹介。まずは詩暢(しのぶ)の得意札でもある平兼盛の詠んだ,
忍ぶしれど 色に出でにけり わが恋は 物や思ふと 人の問ふまで
「心に秘めてきたけれど,顔や表情に出てしまっていたようだ。私の恋は「もの思いをしているのか?」と人が尋ねるほどになって」
そして壬生忠見の,
恋すてふ わが名はまだき 立ちにけり 人知れずこそ 思ひそめしか
「恋しているという私の噂が,もう立ってしまった。誰にも知られないように,心ひそかに思いはじめたばかりなのに」

この2首は“忍ぶ恋の歌”の双璧をなすとされる名歌。960年の内裏歌合せで,判者にも優劣がつけられず,天皇の判定を仰いだ。敗けとなった壬生忠見は落胆のあまり死んだと言われている。太一と新の最終決戦の最後の残り札ともなる2枚の行方,しっかりと見届けて! そんなこんなで,思い入れ込みで“5つ星★”出しちゃう♪


映画クタ評:★★★★★


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◆シリーズ一覧◆

ちはやふる -上の句-/-下の句-』(2016年)