春波～nectar～

其の唇に呑まれる

晝の馳走に紛れて

流し込む甘い言葉

其の唇に零れゆく

彈む笑顏に絆され

贈る肌を包む黄色

櫻の過ぎし街の端

抱き締めるは密事

其の唇に熱くなる

想ひ極限に膨らみ

既に理を倒す本能

其の唇に溢れゆく

聲と糖蜜に溺れて

今を繋ぐ生の感觸

更に絡みて春の波

泳ぎ着くのは夕暮