インフェルノ | p・rhyth・m~映画を語る~

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原題:Inferno
監督:ロン・ハワード
キャスト:トム・ハンクス/フェリシティ・ジョーンズ/イルファーン・カーン
配給:コロンビア映画/ソニー・ピクチャーズ
公開:2016年10月
時間:121分




初夏の頃,イギリスの理論物理学者スティーヴン・ホーキングがアメリカの有名なブロードキャスター,ラリー・キングの番組で「環境汚染と人口超過で人類は100年後には滅びる」と語っていたのを思い出した。ホーキング博士の場合,AI(人工知能)との関係や,地球外移住の推進などに話は広がるのだが,彼以外にも,様々なスパンや要因での人類滅亡を唱える学者は多い。

ダン・ブラウンのロバート・ラングドン・シリーズ第4作を原作とするこの作品では,100年後に滅亡するほどに深刻な人口増加問題の過激な解決策として,ゾブリストが人類の半数を滅ぼすためのウィルスを生み出す。ラングドン教授はダンテの地獄篇(インフェルノ)の暗号コードに挑み「100年後の人類滅亡」か「今人類の半分を滅亡させて生き残る道」かという選択を迫られる。待ちに待った実写版第3弾を,監督ロン・ハワード×主演トム・ハンクスの鉄壁コンビが届けてくれた。

ハーバード大学の宗教象徴学者ロバート・ラングドン(トム・ハンクス)が目覚めたのは,フィレンツェにある病院の一室だった。過去2日間の記憶がない彼は,謎の刺客ヴァエンサ(アナ・ウラル)に命を狙われるが,女医シエナ・ブルックス(フェリシティ・ジョーンズ)の手を借り,どうにか病院から脱出する。何も思い出せないラングドンの上着のポケットには,バイオハザードの記号が印された円筒形の容器。中には古い骨でできた小型プロジェクターが入っていた。映し出されたのは,ダンテの神曲“地獄篇(インフェルノ)”をモチーフにしたボッティチェリの『地獄の見取り図』。

そこに刻まれた“暗号”を探るうち,ダンテのデスマスクの持ち主で大富豪の生化学者バートランド・ゾブリスト(ベン・フォスター)に辿り着くラングドン。ゾブリストは人口爆発による人類滅亡を回避する唯一の解決策だとして,恐るべき計画を目論んでいた。シエナとともに次々と立ちはだかる謎を読み解き,ゾブリストの野望を食い止めようと奔走するラングドンだったが…。

構成やストーリーは面白かったし,原作に準じた“記憶喪失のラングドン”という設定も新鮮ではある。が,シリーズ前2作で観客を引っ張ってくれた“冴えたラングドン”の魅力が薄いし,マニアックな謎解きも物足りない。ただ,何気にダンテとベアトリーチェの悲恋を終盤への布石にしてあったり,ロン・ハワード(62歳)もトム・ハンクス(60歳)も色んな意味で頑張ったんだなぁってのは伝わる。

ちなみに,シエナ役のフェリシティ・ジョーンズは,12月公開の『ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー』の主役を射止めた旬の女優。


映画クタ評:★★★★


右矢印ロン・ハワード作品まとめ

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◆シリーズ一覧◆

ダ・ヴィンチ・コード』(2006年)

天使と悪魔』(2009年)