アメイジング・スパイダーマン2 | p・rhyth・m~映画を語る~

p・rhyth・m~映画を語る~

メインブログ【くた★むび】



原題:The Amazing Spider-Man 2
監督:マーク・ウェブ
キャスト:アンドリュー・ガーフィールド/エマ・ストーン/ジェイミー・フォックス
配給:コロンビア映画
公開:2014年4月
時間:142分




前作から2年後に公開された続編。ついに明らかになる失踪した両親の秘密,伯母・メイ(サリー・フィールド)との母子愛,そして恋人・グウェンとの関係を追いながら,ピーターが人間として,ヒーローとして成長してゆく過程が描かれる。決して特別ではない,しかし特別なヒーローとして映し出されるスパイダーマンが観る者との距離を近づけ,魅力の虜にさせる秀作。

NY市民から愛されるヒーローに成長したスパイダーマン=ピーター(アンドリュー・ガーフィールド)は,高校の卒業式当日も大忙し。一方で恋人のグウェン(エマ・ストーン)との関係はぎくしゃくしていた。その原因は,グウェンの亡き父ステイシー(デニス・リアリー)と交わした「グウェンに近づかない」という約束。それを破って彼女のそばにいることを思い悩んでいたピーターは,最愛の人であるはずのグウェンにまっすぐ向き合うことができずにいた。その思いを感じ取ったグウェンは別れを切り出す。そんなある日,ピーターは幼なじみのハリー(デイン・デハーン)と久しぶりに再会。オズコープ社の御曹司で海外の寄宿舎で成長したハリーは,父の危篤の連絡を受けて帰ってきたのだった。ピーターとハリーはあっという間に意気投合する。一方,スパイダーマンに助けられたオズコープ社の電気技師・マックス(ジェイミー・フォックス)は,自分が彼のパートナーに認められたと信じ込むようになる。孤独な生活に突然現れた“親友”に喜んでいたマックスだが,誤って実験用の電気ウナギの水槽に落ち,電気を操る怪物“エレクトロ”へと変貌してしまう。

そんな中,ピーターは久しぶりに呼び出されたグウェンから,イギリスに留学すると告白されて衝撃を受ける。そんな彼の前に,力を暴走させた“エレクトロ”が現れる。かつて自分を助けてくれたスパイダーマンが警察と共に自分を制圧する側に立っていたこと,そして自分のことを覚えていたなかったことに逆恨みをしたエレクトロは,スパイダーマンに復讐しようと考えるようになっていたのだ。さらに,自分が父と同じ不死の病に侵されていると知ったハリーは,スパイダーマンの血が特効薬になると思い込み,血を手に入れるためにピーターに相談を持ちかけるのだった…。

愛する者の死を乗り越えて,人は強くなる。自らの存在意義を知って,ヒーローは強くなる…綺麗事ではないそんなテーマをキッチリと描きながら,かといって重すぎるではなくまとめ上げたマーク・ウェブ監督のバランス感覚は,皮肉にも『スパイダーマン』シリーズ中で最低の興収に終わってしまう。世の中的には,ヒーローはただヒーローでありさえすれば良いということなのだろうか…。

今後の展開を示唆しながら幕を閉じたこの作品だが,その後,映画化権を持つソニーは,権利元のマーベルと『スパイダーマン』のキャラクターをシェアすることを発表。『アメイジング・スパイダーマン』シリーズは事実上の打ち切りとなった。ソニーはマーベルと共同で,来年夏の公開に向けて,再リブートの『スパイダーマン』を準備中とか。こうしてMCU(マーベル・シネマティック・ユニバース)に取り込まれることになったスパイダーマンは,さっそく4月29日から公開の最新作『シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ』に登場する。


映画クタ評:★★★★★


右矢印「クタ評」5つ星★作品まとめ

右矢印マートン・チョーカシュ作品まとめ

右矢印ジェイミー・フォックス作品まとめ

右矢印中村獅童作品まとめ

右矢印Spider-Manシリーズ作品まとめ