陰陽師II | p・rhyth・m~映画を語る~

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監督:滝田洋二郎
キャスト:野村萬斎/伊藤英明/深田恭子
配給:東宝
公開:2003年10月
時間:115分




陰陽師』の大ヒットを受け,2年後に公開された続編。監督は,前作に続き滝田洋二郎。滝田監督といえば『おくりびと』(2008年・松竹)での日本アカデミー賞・最優秀作品賞&最優秀監督賞,米国アカデミー賞でも日本映画初の外国語映画賞を受賞した実力派だが…。

時は平安時代。貴族たちの間で雅な世界が営まれていた一方で,そのすぐ脇には底の知れない深い闇が広がり,鬼やあやかしが跋扈する世界が存在していた。そんな2つの世界の調和を“呪”をもって制する役割を担う陰陽師・安倍晴明(野村萬斎)のもとに,右大臣・藤原安麻呂(伊武雅刀)から依頼が舞い込む。それは“鬼が貴人を殺して身体の一部を食らう”という,都で相次ぐ怪奇な事件に,一人娘の日美子(深田恭子)が関わっているのかを調べてほしいというものだった。日美子は「鬼も恐るる男姫」と陰で噂されるほどの男勝りな娘で,夜になると夢遊病者のようにさまよい歩く姿を目撃されていた。しかし晴明の見たところ,日美子に怪しいところはない。一方,日美子の凛とした美しさに源博雅(伊藤英明)は一目で恋に落ちてしまう。

怪異な事件が収まる様子を見せない中,さらに内裏に安置されていた秘宝・アメノムラクモの剣がひとりでに音をたてるという事件が起きる。危険を察した晴明は,その気の正体を暴こうと呪を唱えるが反応がない。アメノムラクモの剣の故事を調べ始めた晴明は,やがて知られざる衝撃的な歴史の姿を目の当たりにするのだった…。

個人的に大好きな天照神話を題材にしたストーリーは,よく練られていると思うし,破壊されてゆく平安京もVFX使いまくりで描かれている。ただ,前作の人気があればあるほど,見る方としては期待し,比較しちゃうわけで,幻角(中井貴一)は真田広之に迫力負けしてるし,深田恭子は可愛いだけで小泉今日子の存在感には敵わない。公開当時話題となった安倍晴明の女装にいたっては,今見直すと何だかイタささえ感じてしまう…。

話題性先行でなく,構成もキャストも,もう少し丁寧に作り込んでくれてたら,今頃は羽生くん効果でもっと再評価されてたのにと,残念でたまらない。

ちなみに,羽生結弦がフリープログラム『SEIMEI』で使用した『メインテーマ』は,似たフレーズは頻出するものの,何度見直してもシリーズ2作ともに劇中では流れない。


映画クタ評:★★★☆☆


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◆シリーズ一覧◆

陰陽師』(2001年)