アバター | p・rhyth・m~映画を語る~

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原題:Avatar
監督:ジェームズ・キャメロン
キャスト:サム・ワーシントン/ゾーイ・サルダナ/シガニー・ウィーバー
配給:20世紀フォックス
公開:2009年12月
時間:162分




赤青の紙メガネをして3D映画に興奮したのは何歳の頃だったろう。あれから時は流れ,21世紀の始まりと共に現れたデジタル3Dは,壮年期を過ぎた映画の歴史に新たな足跡を刻んだと言って良いと思う。

GWお薦め4本目に紹介するのは,そんな新時代への扉を開いたこの作品。『ターミネーター』(1985年・1991年)で圧倒的な〈力〉を,『タイタニック』(1997年・パラマウント)で永遠の〈愛〉を描いたキャメロン監督が,自らも長年にわたって開発に関わってきたデジタル3D技術をはじめ最先端の映像テクノロジーを存分に駆使し,〈力〉と〈愛〉を超えて繋がる〈生〉をスクリーンから溢れさせて見せた12年ぶりの力作。

戦争で負傷し下半身不随となり,車いす生活を余儀なくされた元海兵隊員のジェイク(サム・ワーシントン)。ある時,彼は“アバター・プロジェクト”にスカウトされる。それは,地球から遥か彼方の衛星パンドラで,莫大な利益をもたらす希少鉱物アンオブタニウムを採掘するための事業。そのために,人間に有害なパンドラの環境で活動できるよう,先住民ナヴィと人間のDNAを掛け合わせた肉体“アバター”が造られていた。ジェイクに課せられた任務は,そのアバターに意識をリンクさせ,遠隔操縦によりパンドラで生活し,ナヴィ族との交流を図ること。アバターを介してついに身体の自由を得たジェイクは,さっそく神秘的なパンドラの森へと足を踏み入れ,やがてナヴィ族の美しい女性ネイティリ(ゾーイ・サルダナ)と運命的な出会いを果たすのだが…。

資源の豊かな星に目を付けた強欲な人類によって企てられる先住民の制圧。アバターを使って送り込まれたジェイクは,やがて自分の任務に疑問を抱く。身体からアバターへのリンク,先住民との絆,生態系との調和…と,物語は転調を繰り返しなら重厚なシンフォニーを奏でてゆく。そして「繋がる〈生〉」に目覚めたジェイクは,あまりにも利己的な人類に反旗を翻す…。

DVDの2D版でも,空間表現の巧みさ,有機と無機の対比が見事に映し出される辺りが,単に3D頼みでないこの作品の完成度の高さ。10年に渡り世界興収歴代1位を維持した26億4000万ドルはダテではない(ちなみに2位は『タイタニック』)。

なお,『アバター2』は2022年12月,『アバター3』は2024年12月,『アバター4』は2026年12月,『アバター5』は2028年12月の全米公開が予定されている。


映画クタ評:★★★★★


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◆シリーズ一覧◆

アバター:ウェイ・オブ・ウォーター』(2022年)