味を科学的に研究する“味博士”の鈴木隆一先生によると、舌の上にある味覚を感じるたくさんのセンサー「味蕾(みらい)」は生後約3ヶ月目からできはじめ、およそ10,000個に成長。
そして大人になるにつれてその数が減っていき、20~30代には7,500個、60代以上になると3,000個にまで減少するのだそう。つまり子どものほうが大人よりも味覚をより感じやすいということ!
赤ちゃんにとって味覚は、生きていくための大事なセンサーです。
体にとって必要な栄養かそうでないかを識別するのが、味覚の役目なのです。
味には、「甘味」「旨味」「塩味」「酸味」「苦味」といった五つの基本味があり、それらの味を、口内全体や舌や喉などにある“味蕾(みらい)”という器官で感じとります。
この五味のうち
「甘味」は、ごはん、パン、麺などに含まれる炭水化物=“エネルギー源”の存在を教える役割。
「旨味」は、肉や魚などに含まれるアミノ酸=“たんぱく質”の存在を教える役割。
「塩味」は、塩などに含まれる“ミネラル”の存在を教える役割があります。この3つの味は、生きていくために「体にとって必要な食べ物」を伝えるため、本能的に好まれる味とされています。
味噌はこの3つを完全に備えている食べ物です。
米麹は炭水化物、
大豆はタンパク質
塩はミネラル
それが麹菌によって醸され融合し合うのですから
最高に美味いのです。
その一方で「酸味」は、“腐敗物”の存在を教える役割。「苦味」は、“毒物“の存在を教える役割があり、この2つの味は、体を守るために避けるべき「危険な食べ物」を伝えますから、初めは受け入れられない味とされます。