今はそれぞれの人の価値観が尊重される時代になってきました。

患者さんにそれぞれの価値観があるように、歯科医としての自分にも価値観はあります。

 

それは

痛くなく快適に食事が出来ること

長持ちすること

美しく清潔であること

 

と言うことです 

 

もちろん患者さんもそれぞれなので

 

痛くなければよい

出来るだけ簡単に終わらせたい

悪い歯でも抜きたくない

クリーニングは必要ない

 

という患者さんの希望があれば最大限に尊重されます。

 

最終的には自分の体の事なので自分で考えて決めることになります。

患者さんが自分で考える責任が重い時代になってきました。

 

 

歯周病の治療の中に再生療法という治療法があります。

 

歯周病で深いポケットが出来たところを外科的な処置で再生させる治療です

以前は「エムドゲイン」という薬剤を使用して自費で行われていた治療です。

数年前から「リグロス」という薬剤が保険適応となり、症例を選んで使っています。

 

それでも多くの患者さんはその治療を希望されることは少ないようです。

その薬剤は日本の「K研」という会社で製造されています。

以前にちょうどその会社にお勤めの患者さんが来院されました。

歯周病の急性発作で応急処置で傷みも腫れも引きました。

 

「そちらの会社の薬剤を使って処置すれば完治できそうですね」

とお伝えすると

「痛くなくなくなったので様子を見ます」

というご希望でした。

 

この治療がなかなか普及しないのはこういうことがあるかもしれません。

アメリカから一時帰国の患者さんが来院されました。

 

上の義歯を作ってほしいというご希望です

期間は調整を含めて約1か月

 

今お使いの義歯はちょっとお気の毒なほどの状態です

上の総義歯ですが抜歯や虫歯治療の前処置が無いことが幸いしました。

 

アメリカで作ると費用は40万ほど費用がかかるそうです。

日本の保険に入っていないので自由診療になりましたが、それでも4分の1で済みました。

 

慎重に治療を進めて約3週間で完成しました。

痛いところがあったら調整の予定でしたが、調整なしで済ませることが出来ました。