子供の頃、夏休みはいつもお祖父ちゃんお祖母ちゃんの住んでた山家へ行ってた。
お祖父ちゃん家の隣の家の爺さんはいつも短い白い猿股履いて、あぐらをかいて何も言わずぼ~っと座ってた。
痩せてるから股の間から大事なイチモツがいつも見えてて、弟と二人陰からのぞいては、
「又見えてる 」
と笑ってた。
でも、その家の茶の間の上に飾ってある力道山やジャイアント馬場、アントニオ猪木らのプロレスラーが並んだ古い写真が飾ってあって、弟と二人
「欲しいな~ 」
と言ってた。
その写真を近くで見たくてお邪魔したんだけど、その爺さんの息子さんはいつも私達二人に戦争に行った話をしてくれた。
「おじさんな、シナへ行って鉄砲撃ったんだよ。おじさんも撃たれてな、今も撃たれた跡があるだで・・・。」
そう言って撃たれた跡を見せてくれた。
最初は”へ~”って思ったけど、小学生の私達にはピンと来なくて、「第一、”シナ”ってどこだよ 」って思うだけ。
毎回同じ話だし、チョット飽きてた。
当時、そういった戦争体験をはっきりと聞ける機会が多かったと思う。
親も含めて
「ゴハン残すなんてもったない・・・食べたくても食べれない時があったのよ。」
なんて聞かされて、当時の私達ときたら
「今は食べ物ないって時代じゃないじゃん。」
と屁理屈こねる始末・・・。
私が子供の頃は、戦争を生々しくちゃんと話せる人が間近に沢山いたし、今よりももっと鮮明に細かく聞けたはずだ。
「又戦争の話かよ・・・。」
そう言ってちゃんと聞かなかった。
お祖父ちゃん家の隣のイチモツ出してた爺さんはもちろん、”シナ”で鉄砲打ち合いしたというおじさんも、もうこの世にはいない・・・。
昨年亡くなったウチのお祖父ちゃんが兵隊にとられたエピソードをお祖母ちゃんから興味深く聞き始めたのはここ数年のことだ。
そんなお祖母ちゃんも今は認知症が出始めた・・・。
もっと、そうした身近な戦中、戦後を生き抜いた人達の話にちゃんと耳を傾ければよかった・・・。
書物や、TVなどで色んな形で戦争が語られるが、やっぱり先祖や身近な人の体験談が一番尊い。
それは、今の私に直接つながっているからだ。
隣のおじさんの”シナ”での体験、もう一回ちゃんと聞きたかったな、といまだに思う。。。
それと、おじさん家に飾ってあった日本プロレスメンバーの古い写真、欲しかったな~
終戦記念日・・・
関係ないけど・・・
”兵隊さんヘア”にしました
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