何年か前、世界的な研究機関が、「世界史上最も金持ちだっ
た人物は?」というのを割り出した結果、その答えは「徳川家
康である」と断定しました。日本人による研究では、ありませ
ん。その機関に日本人の研究者はいませんでしたから。
というわけで世界史上最も金持ちを判定された徳川家康です
が、その多くは実は「没収した豊臣秀吉の遺産」であることも、
わかっています。つまり実質的には、豊臣秀吉こそが史上最
大の金持ちなのかもしれません。
家康は豊臣家の遺産を少しでも減らそうと、85件にも及ぶ寺
社の造営と修理に費やしました。しかしそこで使われた金など、
全体から見れば雀の涙で、大した目減りにはならなかったそう
です。
何しろその後に大坂城落城後の焼け跡から見つかったのが、
2万8千枚を超える金子と2万4千枚の銀子でした。金額にする
と、合計52万600両です。時価なので今の貨幣価値に完全に
は換算できませんが、520億6千万円ほどにはなります。
勿論これが全てでは、ありません。一部です。すでに没収されて
いる中から85件の寺社造営・修理に費やしても目減りしないとこ
ろに、まだこれだけの金が見つかっているのです。
残された遺産は徳川家に没収されたわけですが、ただそれらは
災害用も含めた幕府の政治資金として後世に使われたので、い
わば江戸幕府の財政に豊臣秀吉は結果的に大きく貢献したこと
になりますね。
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