青森県の津軽半島に、「十三湖」という湖があります。読み
方は「じゅうさんこ」と、いたってシンプルです。
しかし湖が十三あるわけではなく、一つの湖です。何故その
ような名前がついたのか?これは、地名に由来します。
戦国時代くらいまで、十三湖があるあたりは「とさ」と呼ばれ
ていたそうです。「とさ」はアイヌ語の「とさむ」から来たという
説が、有力です。とさむは、「湖のそば」という意味です。
ただ四国の「土佐(とさ)」があまりにも有名なので、漢字の書
き方だけでも変えなくてはということで、たまたま「十三」と書い
て「とさ」と読ませました。従って湖も、「とさこ」だったと思われ
ます。
しかし江戸時代になり、偶然「土佐守(とさのかみ)信義」が津
軽藩主となったため、紛らわしくならないように「十三」の読み
方を「とさ」から「じゅうさん」としました。従って湖の名前も、「と
さこ」でなく「じゅうさんこ」となったわけです。結構、ややこしい
歴史ですね。