世界最古の鳥は「始祖鳥」ということに、長らくはなってい
ました。それが最近では、どうも怪しくなってきているそう
です。
2億2500万年ほど前、始祖鳥の化石より7600万年前
の地層から、プロトエイビスという鳥類の化石がすでに発
見されています。この鳥は、完全なる鳥です。
どういうことかというと、始祖鳥は鳥類と爬虫類の中間の
性質を持っております。空は、飛べません。翼が体重の割
に小さくて弱過ぎるのです。
ただしバタバタさせているうちにフワッと体が浮くくらいには、
なっただろうということです。そのため始祖鳥は、爬虫類か
ら進化したもので、やがて空を自在に飛ぶ鳥類へと進化し
たと、思われてきました。
しかしその始祖鳥よりはるか前にすでに存在していたこの
プロトエイビスという鳥は、骨が中空になっていて翼も大き
いので、空を自在に飛べたことが確かなのです。完全なる
鳥類の機能を、備えていたわけです。
そのため世界最古の鳥類が始祖鳥であるという常識は、崩
れました。そして始祖鳥はこのプロトエイビスの一派から爬
虫類へと退化した姿ではないかという説が、強まっているそ
うです。