タイトルにある老子の「上善は水のごとし」という格言は、
「水のように生きることが最も素晴らしい生き方である」と
いう意味です。
淡々として、こだわることなく、争うこともなく、必要とあれ
ば自由自在に形を変えていく。というのが、水のように生
きることになるのだそうです。
それと似た言葉の心理学用語に、「レジリエンス」という言
葉があります。折れない心。逆境によって強くなれる力、そ
して復元力といったことです。要するに、柔軟性であり、対
応力ですね。
いずれも、素晴らしい言葉だと思います。私も、この世には
「臨機応変」に勝る言葉はないと思っていますから。
ただ、それを少々拡大というか、脱線して解釈している人も、
いるみたいですね。
たとえば、安倍昭恵を同行して大分旅行した医師は、「コロナ
ウィルスに対して、感謝と愛を持て」とか、「感染することで強
くなるのが望ましい」というようなことを、言っているそうですね。
そりゃあ、運悪くかかってしまったら、その経験を受け入れて
強くなる道具にするべきでしょう。しかしかかる前から「愛と感
謝」とか「感染することで・・」と言っているのは、自然体とは思
えないですね。むしろ、身構えてしまっていることになるのと、
違いますか。
確かに、過剰に意識したり恐れたりするのは、いけないです。
ただし、まずはかからない努力をして、それでもかかってしまっ
たとしたら、初めて「事実を受け入れて強くなる」ことに努める
べきでしょう。とにかくまずは、かからない努力をしましょう。そ
のためには、良い空気を吸うことですね。