人間が持つ4大味覚というと、甘味、塩味、苦味、酸味です。
そのうち、乳児の段階で感じるのは、甘味だけだそうです。
「そうです」って、自分にもそんな時期があったはずなのです
が、まるで記憶がありません。
乳児が甘味を感じるのは、甘味が体を成長させるのに必要
な栄養素と密接な関係が、あるからだそうです。
次に身に付くのが、塩味を見分ける能力だということです。こ
れは、塩味が血液中のナトリウムを維持するために必要な味
だからだそうです。
最後に身に付くのが、酸味と苦味です。この2つは、有毒物質
が含まれているものに多いからだということです。
ただし苦味と酸味に関していうと、酸味を含む食品には酢や
レモンなどのビタミンC食品といった体に良い食品が、多いで
す。苦味にしても、その代表ともいえるコーヒーが体に良いこ
とが判明していますし、ゴーヤも苦いけど健康食品です。
酸味や苦味を含むものには、確かに毒性のものも多いですが、
健康的なものも、多いのです。
従って、大人になって味覚が成熟すると、酸味や苦味をひとくく
りにせず、良性の苦味や酸味か悪性の苦味や酸味かを判断で
きる味覚が、備わります。
しかし成熟しない間は、取りあえず全ての苦味や酸味をまずく
感じることで、少なくとも毒性を避けることはできますから危険
からは免れます。そこから次第に、細かな判断能力が舌に備
わっていくのです。
10代ではブラックコーヒーがまるで飲めないのに或る程度の
年齢からはコーヒーはブラックに限ると言い出す人が少なくな
いのも、そのためなのです。ゴーヤに関しても、良性の苦味だ
と判断できるから、食べられるのです。
このように、「味覚」は、食事を美味しくすること以上に、体を
守ることを目的として、備えられたものなのです。