お寿司といえば、基本的に魚介類がネタです。しかし例外な
のが、卵焼きですね。ちょっと異質な感じがします。実はこれ
には、江戸時代後期のちょっとした事情があるのです。
握り鮨ができたのは意外と新しく、文政年間(1816~30)と
されています。
それまではちらし鮨などがありましたが、江戸中期から早鮨と
して、箱鮨や巻き鮨が考案されます。
箱鮨は、鮨飯を箱型の枠に詰め、その上に魚介類を並べ、押
し蓋で押したものです。今は「押し鮨」と読んでいますね。
この箱鮨、別名「押し鮨」の道具である箱型は、卵焼きをつくる
道具でもあったのです。
ということで、ついでだからというか手間が簡単だからという理
由で、卵焼きも鮨ネタに入ってしまった。というのが、そのいき
さつなのでした。
もっとも江戸時代、卵は人気の食べ物でしたので、人々はすん
なりこれを受け入れたようです。
この握り鮨を考案したのは、両国の華屋与兵衛と言われていま
す。現在、ファミリーレストランの名前にも、なっていますね。