1767(明和4)年、すでに発行されていた一文銭の他に、
四文銭が誕生しました。これは、人々の生活に多大な影響
を及ぼしたようです。
まず、串団子です。団子自体はもうかなり古くから誕生して
おりまして、串に刺す食べ方も、定着していました。
ただしこの四文銭ができるまでは、一本の串に5個というの
が、ほぼパターンでした。それが、この硬貨誕生と同時に、
1本につき4個刺しが、定着したのです。
理由は、わかりやすくて払いやすいからです。四文銭1個で、
おつりなしという払い方。
現在、飲食店などで、「ワンコイン定食」というのがよく話題
になりますが、1串4本の串団子はワンコインの元祖といえ
るでしょう。
ただし定食のワンコインは500円が相場ですが、四文は今
の貨幣価値だと100~200円です。非常に手軽な食べ物
でした。
その他、甘酒1杯が8文、そばは16文など、四文銭で半端
が出ないように4で割り切れる値段の物がいくつも誕生して
います。
後々には、「四文屋」という今の100円ショップのような均一
ショップも生まれています。勿論、今と違って消費税もありま
せんでした。
尚、四文銭とすでに発行されていた一文銭は、「寛永通宝」
と呼ばれまして、ドラマや映画でも有名な野村胡堂の小説の
『銭形平次』が投げていたのは、四文銭です。