「中国人」という言葉は実は中国ではあってないようなものです。 | 山科薫マニアックな世界を楽しみましょう

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最近になって、中国の「天安門事件」のことが、日本で少し

話題になっております。1989年に北京で起こった民主化

運動とその暴力的な弾圧のことです。


中国では、この話題がタブーとされていると、先日の(日本

の)報道番組では語られていました。従って、一般の中国人

は、この「天安門事件」のことを知らないなどと、その報道

番組では言っておりました。


実は、この事件が勃発した当初、同じように日本では、「中

国ではこの事件をニュースで伝えていない」と言っていたの

です。更に、「今北京だけでなく上海も危険な状態になりつ

つある」との報道が、なされました。


そんな中、私は、「日中医療気功協会」というのが制作さる

医療ビデオのレポーターの仕事で、上海に発ちました。止

める人もいたし、不安もありましたが、予定を断行しました。


しかしいざ行ってみると、上海は、拍子抜けするほど平和で

した。のどかでした。そして、天安門事件のことは、テレビの

ニュースで伝えていました。


ただ、日本では軍隊が戦車でデモ隊の人間を轢き殺す様子

がテレビで映されているというのに、兵士がテレビカメラの前

で、「俺たちは人を殺したりなんてしてないよ」と平然と笑って

いたのです。


ただそれを見て、私の周りにいた上海人たちは、皆爆笑して

いるのです。理由を訊くと、「嘘ばっかり」とか、「政府なんて、

こんなもんよ」と言いながら、相変わらず笑い転げているので

す。


つまり、全員が、真相は知っているのです。私が思わず、「笑っ

てる場合じゃないでしょう。人が殺されてるのに」と言うと、皆

口々に、こう言うのです。


「北京人、馬鹿だから、死んでも良いんだよ」


これ、ブラックジョークでは、ありません。皆、本気で言っている

のです。そして私が、「北京人も、同じ中国人じゃないの?」と

言ったら、途端に恐い顔になるのです。そして、


「北京と上海は、別の国。関係ないよ」

「北京は、外国だ。同じ中国人なんて言い方、もの凄い迷惑」


実は北京人も、上海人に対して、同じことを言っているそうです。


これ、26年前の話ですが、同じ状態は、今も続いているという

ことです。「中国」という言葉は、外国が使う言葉で、中国では

通じないのです。


勿論、「中国」という言葉があるのも、その意味も、知っています。

しかし、当人たちは自分のことを、「北京人」「上海人」「広東人」

だと思っているのです。それぞれの省なり都市が、独立国家の

ようなものなのです。


中国政府も、そのことは、わかっています。そして、北京が外国

に軍事攻撃をされたからって、上海や広東が助けに入ることが

ないことも、知っています。


中国政府が最も恐れるのは、国内で内乱が起きることです。反日

を煽るのは、例えば北京と上海が戦争をすることなのです。それ

をさせないために、共通の敵を別につくることで、それが日本なわ

けです。或いは、アメリカなのです。


ただし、あの国の国民はそんなことは見透かしていますし、政府

も、日本を軍事攻撃しようなんてことは考える由もなく、注意を日本

に向けさせることで、北京と上海を少しでも穏便な関係にしようと

しているわけです。


一方、中華民族に共通してあるのは、猛烈に合理主義なことです。

だから、戦争で北京と上海が協力することがなくても、経済利益が

見込めることでその時だけ協力することは、あります。経済で他国、

特に日本を子分にすることには、大いに皆、興味があると思われ

ます。


もし安保法案が通り、日本の自衛隊がアメリカ軍の実質下部組織

として海外派兵されれば、そっちに人員が割かれ、別な産業が空洞

化します。


そんな時、中国は、日本に人材をどんどん送り込み、日本の産業

というか経済界を支配します。そういうことでは、上海人と北京人

が仲良く協力し合うことが充分見えます。


中国の脅威なんてことが言われますが、最も警戒すべきは、あの国

の凄まじい合理主義的頭脳の方です。とても安倍晋三では太刀打ち

できないでしょう。それどころか、安倍晋三自身が日本にとって、中国

なんかよりはるかに危険な存在になってしまっている現状を、何とか

する必要が、我々にはあるのです。