夏の日の予感。 | やさしい時間

やさしい時間

ときメモGSの妄想小説です。

ネタバレなSSもアリ。
一部限定公開もアリですのでご注意を……。

 とりあえずマネージャーは確保した。あとは練習場所と部員の勧誘。予想していたよりも順調に進んでいる、気がする。
 高校は柔道部のないところに進学する、親とそう約束したから選んだ羽学。けど、あれだけ夢中になっていた柔道から離れられる訳もなくて。ないなら作ればいいという安直な考えで始めた柔道部は、大迫先生の助力もあって案外すんなりと進んでいる。

 そういや、マネージャー決定って伝えたら凄くびっくりした顔されたっけか。ただでさえデカい目を真ん丸に見開いて、目玉が零れ落ちるかと思った。
 気が向いたらでいい、と言ってたはずなのに、あいつの気が向くのは案外すぐだった。一人よりもやっぱり二人いる方が何かと便利で。あいつがマネージャーになって以来、上手く回り始めたような気がする。

 最初は分からないことだらけで教えることがいっぱいだったけど、一度教えればあいつはすぐに覚えた。やっぱりマネージャーに適任だ。おかげで俺も練習に専念できる時間が増えた。


 けど、やっぱり問題は山積み。練習が増えればその分汗もかく。家には内緒でやってるから、ジャージやシャツはまだしも道着を持って帰る訳にもいかねぇ。さすがにここまで考えてなかったな。どうしたものか、と悩んでいた時に目についたのは街角にあるコインランドリーだった。
 何だ、世の中には便利なもんがあるじゃねーか。そう思って学校帰りに立ち寄って……。洗濯機って、どうやって使うんだ?そういや、洗濯なんてお袋に任せっぱなしで自分でやったことなんてねぇ。コース設定?なんだそりゃ。洗濯機なんて洗い物と洗剤を放り込んだら勝手にしてくれるんじゃなかったんか。
 壁に貼られた使い方説明書を読んでもイマイチ分からねぇ。どうしたものか、と考えてると背後から聞き覚えのある声がした。
「あれ、嵐くん?そんなところで何してるの?」
 振り返ると、先に下校したはずのお前が私服姿で立っている。
「押忍。お前こそ何やってんだ?」
「私?ちょっと本屋さんに行こうかと思って。お洗濯?」
 と、俺の手元から握ったまま途方に暮れていた洗剤を取ると、ぱぱっと洗濯機にそれを放り込んでボタンを数回押し、蓋を閉めた。少し間を置いて、洗濯機がガタガタと音を立てて動き出す。一連の作業を呆気に取られて見ていると、お前は何故か不安げな顔になった。
「乾燥まで設定しちゃったけど、大丈夫だった?」
「……すげーな、お前」
「え?」
「いや…すげえ手際良いのな。慣れてるっつーか」
 するとお前は、一瞬きょとんとした顔になって、それから何故か腰に手を当ててエラそうに踏ん反り返った。
「でしょ?洗濯の一つや二つ、この敏腕マネージャー様に任せて!」
「ぶはっ、なんだそれ」
「ふふふ、これからはいつでも私に言ってね。洗濯くらいは家でもしてるし。それより、終わるまでちょっと時間かかっちゃうから、どうしよっか?」
「んー、じゃあ、本屋行く。俺もちょっと見たい本ある」
 そういうと、お前は嬉しそうに笑った。





 腹の上にずしりと重みを感じて目を開けると、あーとかうーとか、意味をなさない音を発して満面の笑みを浮かべる俺に似た顔。部屋の中には、何だかいい匂いが漂っている。今日の朝飯は焼き魚か。
「あー!」
「よしっ!起きるか!」
 ガバッと起き上がりついでにチビを肩に担ぎあげると、頭の上にキャーキャーと言う歓声が降ってきた。そのままその場でぐるぐるとまわってやると、手足をバタバタさせて喜ぶ。
「あ、おはよー。ついでに洗濯しちゃうから、二人とも早く着替えてご飯食べて」
「押忍!」
「だー!」
 チビと返事が被ったのが可笑しかったのか、洗濯かごを抱えたお前がくすくすと笑う。…なんだ、そうか。さっきまで見ていた昔の夢に、急に合点がいって一人納得した。
「ん?嵐くん、どうしたの?」
「いや。昔、お前が初めて洗濯してくれた時の夢見てた」
「あー、そういえばそんなこともあったねぇ。懐かしー」
 俺の肩からチビを降ろして、チビのパジャマを脱がせながらお前が目を細めた。
「うん。俺、あの頃からこんな風になるような気がしてた」
「こんな風って?」
「俺の傍にはお前がいて、お前が俺の洗濯とか飯とか、そういうのしてくれるって。やっぱ、あん時の予感はあたってたんだな」
 そういうと、お前はやっぱりデカい目を真ん丸に見開いて。そんで、顔を真っ赤にしてもうって怒った。


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9月8日は嵐くんのお誕生日~(*゜▽゜ノノ゛☆

天然発言の多い嵐くんにはいつもドギマギさせられますw
そして何気に亭主関白っぽいと思う。

お誕生日おめでとう、嵐くんオメデト♪(゚∀゚ノノ"☆(゚д゚ノノ"☆(゚∀゚ノノ"☆チャチャチャ