ミクロとマクロ。ミクロ的視野で、目の前に死にそうな子どもがいたら、とりあえず何も考えずにその子どもを助ける。一方で、マクロ的視野で、人口問題や環境問題、人間の数が多すぎる、どう考えても減らさなきゃいけないのでファミリープランをお願いする。私は片や人間を助けておきながら、片や子どもの数を減らしているという矛盾している人間である。国際協力というのは、残念ながら矛盾する事をやっていなければならない。人道的優しさでやることと、残り半分はよい意味での冷たさで、学問的な数字で結果を出す。ミクロ的視野とマクロ的視野のバランスが大事で、どちらに偏ってもいけないということだ。
国際協力とは、もしくは現代世界というものは、このように、何が正しいかわからない、相矛盾する2つの要素の中で、極端に走らず、中庸を得て、バランスをとりながら活動していかなければならない、非常に難しいものかもしれない。
NPO法人宇宙船地球号 代表 山本敏晴
この人の本は、高2のときに出会った「国際協力師になるために」が最初だった。
公民の授業で、藤原正彦の「国家の品格」を先生に薦められて、天童の図書館にねぇべがと探しいって、「国家の品格」みあたんなくてぶらぶらうろついてるときに見つけた。
ちょうど推薦入試で筑波の国際はいろって思いはじめてた頃。
国際協力とか国際開発とか何にも知らなかったころ(今でもどんくらいわかってるのか自信ないけど)、一番読みやすそうな本だったから借りてみた。
もちろん国際協力のことが軒並み網羅してあって、現実問題と理想のギャップについてもわかりやすく書いてあって、冒頭に引用したように「中庸」ってことを意識して書かれてる気がして感心した。推薦入試がいよいよ近づいてきた頃、この本も自分で買って、この本をベースに国際でやりたい事だとか考えて推薦入試の対策したっけ。
もちろんそんときは純粋に国際協力ってどういうことかとか知りたかったしやってみたくて、その本の国際協力に関する知識が興味深くて夢中になった。けど、この本の根本みたいなところにある山本さんの哲学的なものが一番刺激的だった気がする。
それは「中庸」。バランス主義。
有川浩の出世作「図書館戦争」シリーズにもバランス主義者の館長が登場するけど、オレもバランス主義にはすごく共感する。まぁ、オレ自身はまだまだ、ぜんぜんバランス取れてないと思うんだけどね。
留学にもいった大学生活の前後でいろいろ変わったことはあったけど、(こないだのブログに書いたみたいにね。)バランス主義的な考え方は変わらなかったな。
「中庸を得る」 一言でいっても難しい。
バガボンドで武蔵が一乗寺の下り松で吉岡一門を相手に決闘した後、牢屋に入れられる話があるじゃない?
そのとき京都所司代板倉勝重と武蔵がいろいろと語り合うシーンがあって、
引け目 それ自体は心に生じた小さな波にすぎぬ
不安の方へ振れれば、心は閉じる
見まいとして、固く閉じた心の中では
不安はやすやすと恐怖にかわり、敵意へと育つ
その逆もまた厄介だ
崇拝する
同化したがる
寄りかかって執着のできあがり、
目も心も開いているようで閉じているのと同じ
別れ道は、いつも心のうちにあるわな
真ん中がいちばんいい
って板倉さんは語るのよ。
中庸だと思う。
ぶれない自分を保つ事は難しくて難しくて、
自分を保つためには自分以外を否定したり拒絶したり、
一方ではあらゆるものを認めよう受け入れようとしたり、
どうやっても自分を保ち続けるのは難しい。
人は誰だって自分に同意され理解される事は嬉しい。
世の中には、おもねりへつらわれること大好物の人もいる。
もちろん、みえみえのそれにはうんざりするけど。
実は、
そういう、阿りも諂いも衒いも何もなしで触れ合える人がほんとの理解者なんだろうね。
そういうひとになりたいなぁ。