鉄緑会で悲しいパターンにならないために | お受験ブルーズ

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現役講師がお受験を通じて世間を眺めています。
大手塾勤務→独立→プロ家庭教師と変わって来ました。(作曲・編曲、戦国シンフォニックメタルバンド「Allegiance Reign」のベーシストとしても活動しています。どっちも本気です)

 最近、割と相談が多いので、鉄緑会と進学校の関係の上で、注意すべきことを現時点でわかっていることを基に、書いてみたいと思います。関西にも少し前にできたそうで、灘や洛南の子がこぞって通っています。

 

 まず、簡単な鉄緑会のシステムですが、まあネット検索でもわかる程度のことではありますが、最も大きな特徴は、「進度が早い(速い)」ということです。

 

 中学時は英数しかありませんが、中1で一般の中3までの内容を終わらせ、高校になるころには高校内容もひと回し終わっている感じです。中高一貫校の進学校は基本的に高2中盤から3月で英数を一通り終える(終わらないところもけっこう今はあります)ことを考えれば、それよりさらに1年早い感覚になります。

 

 教材が優れているとは言われますが、子供によっては使いにくいと感じることも多いようです。

 僕個人的には、英単語帳は整理の仕方がなじみにくく覚えにくいし、難度が高くて数学もサピを見ているような錯覚(難度がホップ、ステーーーップ、ジャーーーーーーンプという感じw)に陥り、現役の頃の数学嫌いの僕では手も足も出ないし、嫌になるかもな、という印象を持っています。

 まあこの辺は生徒一人一人によって違うことでしょう。

 

 教材の相性をみることが結構、鉄緑会うんぬんにかかわらず中高では大事になります。

 

 有名な話ではありますが、ここは開成桜蔭をはじめとする「東大を狙う進学校」の生徒が対象です。対象となる13校以外の学校の生徒も入れはしますが、レギュラークラスと言われる少人数の上位クラスにはなかなか入れないことでしょう。

 

 まあ僕からの目線では、オープン(レギュラーの下クラス)でいいんじゃねえの、とは思うのですが、この層の子は序列ができると必ず上にいきたがるし、無駄な序列をどんどん作るのが好きな人種だと思った方が良いです。そこが高学歴者の良いところ(そのために努力ができる、惜しまない)でもあるし、ダサいところでもあるのですが、それが凝縮された感じは受けますね。

 

 一言で言うと、東大理3で「まあまあじゃん」とみなされる環境です。向上心の強い子はどんどん刺激を受け、勉強に肯定的になっていくことでしょう。(そんなに甘くないのも知っていますが) 実際、上位4割程度をどこの進学校でも鉄緑会の子たちが多く占めています。

 

 講師も基本的に鉄緑会のOBOGであり、かなりの優秀な方が揃っています。東大理2→農学部卒の僕では、肩身が狭くなるくらいの肩書を講師の皆さんがお持ちです。(教えるのは肩書じゃねえ、と言いたくもなりますがw)

 また、学生の講師(基本現役東大生か医学部生)も多いです。

 

 ただ、これだけ頭のいい子たちの講師をするのは、大変です。教える側も相当な思考力と素養を持っていないとすぐに看破されてしまいます。僕など、浅い部分も多いし鎧バンドなんかガチでやってるので、下に見られて終わるんじゃないでしょうか(笑)

 

 さて、今日も長くなると申し訳ないのですが、注意すべきポイントとしては以下の点です。

 

 

・東大に行くだけならここまで必要ない。本当に医学部でいいのか

 ……まずはここでしょうか。今年も東大理3の合格者は4割ほどが鉄緑会の出身者です。京大医学部もやがては半分くらいが鉄緑会の出身者になるかもしれません。しかも、特筆すべきはほとんどが現役合格であるという点です。

 

 受験界のトップオブトップ、全人口の上位100人に君臨するのが東大理3です。うちの母校程度では、まあ、合格者が出ても10年で2人程度でしょう。

 僕は理2でしたので大学1・2年生のころに彼らとクラスを同じにしていて、友人・知り合いも多いのですが、やはりまったくモノが違う人たちです。

 

 勤勉さと勉強を楽しむ精神的余裕を持ち合わせ、天才なのに努力しています。また意外と穏やかな人たちが多く、僕の学生のころのような、(昭和的?)貧乏人あがりでガツガツしている人間は、本当に少ないです。ま、変人、という意味では多いかもしれませんが(笑)

 

 そこに現役で入るには、やはり高クオリティでハイレベルかつ膨大な問題量をこなしたほうが良いと感じます。日本はどうしても「仲良しこよし」で、ずば抜けた人間が伸びにくい環境に思います。そういう意味では、鉄緑会のような環境は今の日本には必要です。

 

 が、問題は「医者でいいのか」という点なのです。日本で一番優秀な、優秀すぎる人種が、「理3でまあまあじゃん」というトップの風潮で、才能証明のためだけに理3にする例が結構あります(いろいろ本人は理論武装してくるが、要はそれだろ、と思えることが多い)。

 

 ですので、理3に入ってから、数年経つと違うことをしているパターンが多いです。MBAをとっていたり、数学の世界に行っていたり、意外に理3の場合、その後医学をガチでやっている人間は他大より減ります。

 

 確かに、医学以外にも世の中には選択肢がたくさんある現代で、才能を生かすべき分野が医学ばかりなワケがありません。不安定かも(医学部を志す方は意外に安定志向の方も多い)しれませんが、IT業界に己の才能を信じて殴り込んでいくのも良いと思えます。なあに、努力してれば何とかはなります。

 

 こちらからすれば、理1でも文1でもええがな、と思えます。

 

 ということで、日本最高峰の才能が、数年の回り道をすることになります。数学者はピークが10代に来る、と言われていることからも、これは、日本にとっても大きな損失です。

 また、本当に根っから医学を志したい人間をそこで蹴落としていることにもなります。

 

 林修先生も著書「受験必要論」でおっしゃっていましたが、その人種たちは、高2でも十分に東大に受かる素養があります。1年早く東大に行かせて上げられれば、また、違った日本にとっての大きなプラスがあると思えます。

 

 そういう立場の人たちに、東大卒の僕から言えることは、どんなに勉強ができても、意外に社会での成功とは無関係であり、才能がある人間ほど、1年でも早く社会に出て、荒波にもまれ厳しい社会と国際の現実を知り、そこでなおもくじけずに己の鍛錬をすべきである、ということです。医学部で6年も拘束されている場合ではありません。

 

 理3まで行く才能があるならば、人間関係や世間の繊細なところを学習することで、必ずや大きなことも成せるし、大きな社会貢献もできることでしょう。また、人類自体を好転させうることにもなるやもしれません。

 

 ということで、理3現役狙いなら鉄緑会で良いが、本当にその才能を持ち合わせていることに気づいたとき、医学部でいいのか、は自問自答してほしく思います。僕のような人生もスリリングでいろんなことが学べますよ(おススメはしない、笑)

 

 また、理3以外の東大狙いであれば、そこまでする必要はなく、学校の授業を完璧にしていれば十分です。むしろ時間をあまらせて、いろんな経験をした方が面白い人間になれるでしょう。

 

 

・両立をするには条件がある

 ……さて、先日の記事では、世話焼きとなる学校の1年の総授業時間が1200時間くらいが目安である、と書きました。これが1300に迫ると、学校で東大や国立に行くシステムが完備されていると考えてまず間違いはないです。

 

 やはり、1300に迫る学校の生徒は、鉄緑会でよく身を持ち崩しています。それはどちらも課題が多い、ということに加え、鉄緑会では内部テストがあって、それでクラス分けを行うのですが、そのプレッシャーがすごいのです。イメージとしては、サピの組分けテスト(クラス昇降の上限がない)ですかね。

 また、一部、時期が学校の定期テストとかぶる、嫌な時期にあります。

 

 もちろん、中学の間は英数だけなので、ちゃんとやればなんとでもなります。また、なんとでもできるくらいの計画性とパワー、スピードを持ち合わせているからこそ、理3にでも行けると言えます。

 

 その素養面が育ってない、両方ちゃんとやる、という覚悟がないのであれば、あまり鉄緑会はおススメできないことになります。学校をしっかりやった方が良いでしょう。

 

・基本的には学校の方が大事

 ……そういう意味では、僕は中高一貫校の進学校であれば、学校の方を重視した方が、良いという考えです。中学受験の時のように、学校がクソの役にも立たないというわけでは全然ありません。中学受験時の学校と塾の関係と、同じ感覚でとらえてはいけません。

 

 聞いていますと、学校の先生方からは「鉄緑会につぶされた」とい嘆きをよく聞くし、鉄緑会では「学校に邪魔された。レベルが低い」という論調のことをよく言います。こういうのを水掛け論というのでしょうか。

 

 ただ、考えてみても欲しいのは、高卒資格(いい方が悪いですが、笑)をくれるのは文部科学省の厳しい審査を通った学校であり、鉄緑会や予備校は私塾に過ぎません。芸事の世界で言えば、ハイクオリティな同人誌に過ぎないのです。商品として何度も試練や審査をくぐり抜けた商業誌などとは全く、立場が違います。

 

 学校で落ちこぼれると、留年もあるし、高卒にもなれません。高卒になれないと、大学受験もできないのです。どんなに学校の先生がしょぼくても、ここの原点を忘れてはいけません。学校のものをクリアしておくのは、前提なのです。その前提すらできていない、見れない、目を逸らしている子が、大きな失敗をしていくのです。

 

 そもそも、僕の感覚では、優秀な人間ほど、「自習で」東大にまで行けますし、基本そうなっていくはずです。お金を出して、どこかの機関に頼ろうという発想自体がそもそも弱いです。

 高校からは、優秀な人間ほど本当に自習中心になっていくし、自分でカリキュラムを考え、ゴールと目標を設定します。その機能を鉄緑会や予備校にやってもらって良しとするようでは、社会に出てから思わぬ苦労をすることになるでしょう。

 

 各予備校や進学校での上位は高校時は必ず、自習・自学習慣を手に入れています。余裕のある中学時で、まずはそこを目指すべきです。

 

 レールに乗っておいた方が楽、という感覚はそろそろ古くなっています。そのレールも敢えて乗るところは乗り、意味のないところは敢えて外す、それでいて全体のバランスはしっかりとれている、という自主的かつ俯瞰した視点を持つように、特に優秀層にはなってほしいです。

 

 

 親御さんはお子さんがそのように考えられるように、お子さんを導いてあげて欲しく思います。中学受験と同様に親が主導して鉄緑会に放り込み、子の自主性をどんどん奪って甘ったれになっていくことは、後年、大きな問題を生むことでしょう。やはり、甘ったれすぎている子が、多いです。アドラー心理学は参考にしてください。

 

 中学以降は、できることは自分でさせる、くらいの感覚を持たせてあげましょう。

 

 

 いつも読んでくださってありがとうございます。

 

スーパーコンサル2019、今年も受け付けております。究極の受験セカンドオピニオンを体験してみませんか。もちろん、2度目3度目の方も歓迎です。ご希望の方は、下記記事を参照の上、(読んでない方が多いです。一度はぜひお読みください)メールをください。

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https://ameblo.jp/jyukuko/entry-12446458308.html

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http://ameblo.jp/jyukuko/entry-12078350127.html
 

お問い合わせいただいたメールに返信はできていますでしょうか? 迷惑メールとして処理されてしまって届いていないということがたまにあります。僕はどんな内容でも、1週間の間に必ず返信は行いますので、1週間経ってもこない方はお手数ですがもう一度しっかりタイトルなどもいれて送っていただければと思います。問題集に載っているアドレスの方にだしていただいても構いません。

また、現在、かつてないほどの多忙につき、やや返信が遅れ気味になっております。同時に複数のメールをやり取りしている場合もありますので、返信が滞っている場合は、かまいませんので催促してください。

 

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